表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/54

首都襲撃②

サスケは素早く懐から特別製のジャミング弾を取出しはるか上空に向ける。

それは狂楽から預かった一発限りの特注品、昼間よりも明るくあたりを照らし、レーダーも視覚情報も狂わせる。300秒の混沌の時間。

その光に合わせ上空のそれは姿を現した。

超巨大の航空母艦、サスケも初めて見る規模、それにその光であらわになったがこの首都を囲むように、機人が降下しているその数優に100を超えている。

これほどの大部隊、何が彼らをそこまでさせた。

サスケは続けざまに、上空の母艦に対し、全力で、攻撃を行うが、

バリアどころか、高度が高すぎて、届きもしない。

なるほど、この高度であれば、真継の常識離れした動物的勘も役には立たない。

しかもおそらく向こうも雨、現時点でも気づいてはいないだろう。

願わくば先ほどの照明の光に気付いてくれることを願うのみだ。

「ミヒャエル!逃げるぞ!!!切り札をいきなり使わされた!」

「勝てる見込みは!」

「ない!!」

「最も有効な戦術は?」

「速やかな撤退を進言する。

完全かつ最大限の奇襲だ、おそらくこの状況では指揮系統もまともに働かない。

サイラス将軍は信頼がおける将軍ではあるが、この状況下では長くは持たない。

最終手段として僕が各所に配置した機人の動力炉を爆破する首都放棄の火刑も、さっきのジャミングが聞いている状況ではしばらく使えないし、逆転の一手となるためにおびき寄せようにも、本丸の母艦はこれだけの高度、ダメージは与えられない」

「っく、理解した。少なくとも大公だけは、、、そうだ、地下!!」

「地下?」

「あぁ、フロッカスこの宮殿には確か地下通路があるはずだ!アラビス方面に抜けるための通路がある。そこからラディア山脈を目指せば、敵の目をかいくぐることが出来るし、ラディア山脈で体制が建て直せれば、あの船にも攻撃は届くんじゃないのか?」

「どうなされた、ミヒャエル殿!先ほどの光は一体?」

「カーク殿!ケレスの襲撃です。規模はここを占領してた駐留軍の倍以上です!」

「ば、馬鹿な、防衛線は、、、」

「空からの襲撃ですそれもかなりの高さです!ここは一旦引きましょう大公はどちらに?」

「それは、、、、」

「分かりました大公はこちらで、カーク殿もお早い脱出を、私たちはラディア山脈基地を通り、アラビスへ後退いたします、できればその過程で、この状況下では長く持ちません」

カークは部下を連れ、そんなに早く動けたのかという逃げ足で、早々に撤退する。

ミヒャエルはサスケを引き連れ、大公の捜索にあたる。

一方軍部は大混乱。何にどう対処していいのか分からず、行動できない。

サスケは道中指示を待つ彼らにも撤退を進言しながら、

できる限り時間稼ぎのために、事前に用意した策を発動させるように指示する。

各地域に仕掛けた機人を使用した広域爆弾のほかに、先ほどサスケが使用したジャミング弾の劣化量産弾、その他視覚情報を阻害するための煙幕や各場所に仕掛けた火薬の数々、そして前回使用した対機人用のコンピューターウイルス。ここには十分な数はないが何もないよりもマシであり、機人相手に剣では何もしないも同じ、ましてや、もうそろそろジャミングが解ければ敵から補足される。それに上空の空母も何をしてくるか、、、

サスケは、闇に慣れてきた目で空母に目をやると思わず血の気が引く

「おい、おいマジかよ、ミヒャエル、急げ!!!」

その言葉間もなく、上空の空母から光の柱が降り注ぐ、幸い、サスケのジャミングにより、狙いが定まらず、光は分散し威力は削られるが無差別に街に降り注いでいる。そして続けざまに、今度は光学兵器ではなく、物質を落下させそのまま爆発させる。こちらもこの高さの為、狙いは定まらないが、これに関しては全く防ぎようがない。

「どうなっている!」

「あいつら、まともに戦う気なんてない。

いや、空爆からの包囲網、至極まっとうな殲滅戦だ。

勝つ負けるじゃない。いかに被害を小さくするかだ。だが、それは俺たちの役目じゃない。いいか、大公を守りたいならそれだけに集中しろ!」

ミヒャエルは寝室の前の廊下で途方に暮れている大公を見つけるとお付きの女性たちを引き連れ地下道に潜る。

「ミヒャエル。ここからは彼らを頼むぞ。ラディアら山脈方面への通路があって助かった。

ここまでは予定外だが、手詰まりじゃない。ここからは予定通りに、頼んだぞ」

「サスケ、君は、」

「時間をできるだけ稼いでみる。僕一人なら、多少は何とかなるさ

機人を投入してからは空爆も収まるだろう。とりあえず、やれるだけやってみるさ」

「あ、あの、、」

おつきの女性がサスケに話しかける。

「あの、夫のハインがまだ、街に、、、」

「悪いけど約束はできない。僕にはそれより、優先してやる事があるし、この状況だ」

「そんな、だったら私も、、」

「君に何が出来る、いいや、何もだ。ただそれでも君が逃げたとわかった方が君の夫の為にもなるんじゃないのかい、ミヒャエル、」

「あぁ、分かった。アラビスにつく前に追いつけよ、ラディア山脈で待っているぞ」

サスケは脱出通路を扉を閉め、地上に上がる。

地上はすでに火の海。だが、そんな状況でサスケは一人、機人を撃破していく、彼の目的は機人の個別撃破などではない。機人を完全停止させず、動力炉を生かしたまま、機能停止させる。そしてその上で、元々仕掛けた機人の爆破。距離を詰める事で連続で爆発させるつもりだ。この首都自体を吹き飛ばして、多くの人間を巻き込んで、ケレスの戦力を少しでも減らすこと目的だ。元々、この火の海ではまともに逃げる事もできやしない。

それが最後の策、偶然に期待を残しながらも最悪の事態に備える。

「思い出すね、このやり方、魔王のやり方だ。俺も久しぶりに本気でやるかね。間に合えよ。じゃないと俺は俺の罪悪感に押しつぶされて、戻れなくなるぞ」

闇夜に舞う影が、機械よりも正確に、機械よりも早く動いていく。

それは真継の力がそうであるように。彼のそれもまた生きる為に磨きあげた生きるための技術。磨き上げた強者を殺すことに特化した技術。

サスケの心は次第に消え、静かに穏やかに、闇と同化していく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ