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WAR①

アラビス軍は陣形を崩さず、後方より節約しながら牽制の弓を放つ。

真継はその状況下で、まずは上空より襲来する飛行型の機人の向け、突っ込んでいく。

迅飛脚で飛行が可能な時間は限られている、しかも本来迅飛脚は一度力を使えば再度エネルギーをチャージするまで専用の施設がない自然回復では数か月はかかる。先日既に真継は迅飛脚のエネルギーの80%を使い切っており、現状、ほとんど使えない切り札だ。

それでも、迅飛脚なしでも移動速度には自信があるため、ミヒャエルにはエネルギーがない事実は黙っていたが、少なくとも高速移動タイプだけは先に撃破しておかなければ、後々厄介だ。

真継は形状から10機が滞空戦闘を得意とするものと判断。その中でも地上からの撃破が難しい高高度、または高速移動に特化していると見受けられる8機に狙いを絞り、攻撃を仕掛ける。真継は先行して進行する4機編隊の機人との距離を詰めると、迅飛脚をフルスットルで、急加速、急上昇し、機人一体を撃破、不意を突き、挙動に迷いが出た隙に、その機体を足場にし迅飛脚を使わずにもう一体を吹き飛ばす。

だが、勢いが付き過ぎ、真継は残り2体との距離が開き、再度迅飛脚を使用し距離を詰める。

「動きもこの間の鬼に比べれば大した事ないが軽いなこいつら、やりにくいなこういうのは、」

真継は先行の4機を撃破する事には成功するものの、その強さを悟った残りの4機体は散会し、真継との距離を取る。しかも、予想外、もう少しは行けると思っていた迅飛脚がエネルギー切れを知らせるアラームがなる。

真継は仕方がないと、服の内側につけた小さな箱を手甲に装着すると、そこから出ている糸に刀を括り付け、飛行中の機人に向って壊さないように投擲する。

これは真継が身に着けている服。第六天魔六狂工作:冥府一光蜘蛛織物と同じく、蜘蛛の糸に似たたんぱく質で構成された糸だ。その柔性と強度は並ではなく、細いその糸で真継の体を支える。真継はそれを巻き上げ機人に乗り移る。

しかし真継はすぐにその機人を撃破しようとはせず、その機人を助けようと残り3機が機体が近寄ってきたことを確認すると、足元の機人の首をはね、別の機人に移動する。

再度散会しようとする機人であったが、真継は、今度はその蜘蛛の糸の箱ごと投げつけ、機体のぶつかった衝撃で、箱を壊し、糸を機体に絡ませ、地上に墜落させる。

そして残った糸を現在の足元の機体に結び付けると、真継は残ったエネルギーを使用し、地上に着地し、力任せにその糸を振り回し、機人をあろうことかハンマーのように、もう一機を巻き込みそのまま地面にたたきつける。

「これで8匹退治。さてここからは地道に行かせてもらうかね。だが、その前にどうせ小賢しい力、最初に全部いっておくか」

真継は今度は、幻手甲の出力を最大化させる。幻手甲はその強度こそが真継にとって最大の武器だが、もう一つの特徴それは使用者の精神に応じで、幻を生み出し、その幻は相手の感覚に共有し、視覚情報の認識がダメージとして実体化される絡繰だ。真継自身が燃えない幻の炎を出したのものこの絡繰がネタだが、この絡繰は使用者の精神に影響する。

現在、絶賛ハイテンションの真継は、その幻手甲の出力を最大まで上げ、人の持っていい限界を超えた闘争心で幻を顕現させる。それは先日の炎などではない。神仏の類。

戦いの化身。8m程度の機人など可愛いもの数十mはあろうかというそれは、真継の動きをトレースするように刀を抜き、ただの一太刀。それだけで10機の機人を撃破し、1000人単位の戦力をそぎ落とした。

そしてこの一撃により、ケレス軍に恐怖が走る。

自分たちが相手にしている者は何なのだと。

目にした現実への拒絶が、彼らの闘争への意思をもそぎ落とした。

「流石にこの規模はこれが限界だな」

幻手甲は激しい音を立てオーバーヒートを起こしながら回転を落としている。

「どうせなら俺用に作っとけよな。これ壊れても俺直せないぞ」

流石に疲れたのか、腰を下ろそうとする真継であったが、早速目印の閃光弾が上がる。

「早いな、少しは自分たちで何とかしようって気がいはないのかよ」

真継は下しかけた腰を上げ、閃光弾の方へ急行する。


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