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鬼狩

「首はもらったぞ」

「なめるな!」

キメイラは立ち上がり、真継は距離を取る。

「首を取ってもまだ動くか!」

「旧式と一緒にするな。この程度でどうこうなると思うな。それに周りを見てみろ」

真継が言われるままに周りを見ると同系のキメイラが3機、計4機が彼を取り囲む

「残念だったな。我らがこの戦場にいた不幸を呪うがいい。本来であればかような小さき戦場に我らが出向く事はあり得ないが、試作機のデータ採取の為、この戦場に赴いた」

「首なしが偉そうに、」

「なぜ試作機が4機も必要なのか、なぜ装備が違うのか、猿には理解できまい。

ここは貴様らの戦場ではない、私の実験場だ」

キメイラ4機は、真継に各々の違う武器を最大限生かし攻撃を仕掛けていく。

距離をとり、コンピューター制御による無駄のない連携の動きは真継に反撃の隙を与えない。

「見よ、これぞ完璧なるアルゴリズムを備えた新世代の戦闘OSによる黄金連携だ!

一分の隙もなく、完璧な連携を行い、我等全ての目が貴様をとらえ、即座に全機体に共有化され、行動に反映させる」

「なるほど、見事だ、だが、完璧には程遠い」

「なにぃぃ!」

自らの自信作を不敵にも笑った真継に怒りをあらわにする。

「では、いくぞ、今度は少しだけ俺の本気を見せてやるよ」

真継は目の前にある岩石を思いっきり蹴り上げ、落下してきたところ、拳で砕き、散弾のようにキメイラにぶつける。だが、キメイラは危険の高い大きな破片のみ回避し、残りはその装甲の前では問題なくはじかれる。だが、その事で、4機はリズムを狂わされた。

「まず、4匹を前提に考えられているなら貴様の目がいない時点で死角が生まれる。貴様の目がない前提で作られた戦術ではない。天撃:鬼刃撃!」

想定内ではあるが、より精度の高い回避するために攻撃範囲外にいる機人が真継の散弾攻撃を見きるため、一瞬止まり観測を強化する、そして、その後連携を再調整する隙をつき、3機の目線を読み切り、死角に入ると、背後から1機を装甲ごと縦に真っ二つに両断した。

「次に貴様があまりに武人として未熟、貴様の意志が読みやすく、御しやすく、そして何より、連携の雑音だ」

真継に向けて火炎が放たれるが、真継はよける事はせず、黄金刀で、火炎を切り裂き、その斬撃が開いた炎の道に全力で刀を投げ、キメイラを吹き飛ばしながら投げた刀で貫いた。

「な、何をした!!」

真継は吹き飛んだ機人から刀を抜きとると、微動する機人にとどめをさす。

「この刀は万の命を食らった妖刀を溶かし、芯鉄にし、藤光圀京フジミツクニ ミヤコが鍛え上げた最高傑作。怨念を宿し、呪術を施したこの刀は形なきものも切り裂くぞ」

そう言い、今度は上空から光学兵器で狙撃するキメイラにめがけ斬撃を放ち、光線を切り裂く

「天撃:重ね空渡からわたり!」

真継は続けて、先ほど放った斬撃に斬撃を重ね、さらにもう一機を撃破する。

最新の装甲に、力場によるバリア機能も備えた遠距離支援仕様の最新鋭機が、見るも無残に破壊されていく。

「そして何より、心宿らぬ人形に俺が殺せるか。さぁ、終わりだ」

真継は全ての目を失い、慣れぬ補助カメラでしか状況が分からぬ敵に対し、その補助カメラも潰し、機人の視覚をすべて奪うと、器用に四肢への指揮系統を切断する。

倒れこみ動けなくなった声の主の乗る最後の一機の上でわざと聞こえるように、音を立て見えぬ恐怖を煽りながら胴までやってくると、ひときわ大きな踏込で中のパイロットに恐怖を与える。

「お前には最後に面白いものをくらわせてやる。

貴様ら鬼には種類があるそうだな、指揮官の搭乗型。

俺たち人を薬で廃人にし、動けぬ体にして、ただ意志なき機械の一部として取り込む生体ユニット制御もとい、外道型。

そして先程のようにカラクリによるロボット型だったか、後は遠隔で操作する操り人形型。

搭乗型は一番数が少ないと聞くが、お前は実験の為だと言ったならばお前はどこにいる?」

これは質問ではない、拷問だ

「や、やめろ、悪かった」

怯え謝罪する敵に対し真継は聞く耳など持たず、足を踏み込み、装甲を凹ませさらなる恐怖で相手の口を奪う。

「鎧通しという技を知っているか?先程までの遠当てとは違い、内部にだけ衝撃を伝える掌底技。俺の天撃の基本技だ。なに手加減はしてやる。死ぬはしないさ、運が良ければな、」

「う、運が悪ければ」

「決まっている、内臓破裂、この場合の内臓はお前だ。この鬼の破裂したはらわたになるだけだ」

「ゆ、許してくれ」

「許すもないにもないだろ、俺には関係ない」

「か、神様」

「ほう、神を語る貴様らが神にすがるか、なるほどこの国ではノエルが必要なわけだ。

だが、その祈りは無駄だ俺はお前らの神の忠告は聞かない、というより知らん。つまりはその祈りは成就しないし、いくら祈ろうが俺には関係ない」

「あ、悪魔、、、」

「悪魔?悪鬼羅刹の類か、神を語る者のお墨付きとは喜ばしい事か?だが、所詮、今がなんであろうと、俺やお前のような鬼や外道は地獄に落ちる定め。もし、これで死んだら、先に行って待ってろ、その内また殺しに行ってやるからよ」

鈍い音が戦場に響き渡り、真継の猛攻は終わりを告げる。


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