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VS鬼

「あんたいいな!なんだその力は?」

「それはこっちのセリフだ化け物が、」

真継の拳を止めたのはひげを蓄え、白髪交じりで騎士というより傭兵というのが相応しい男。

あろうことか彼は真継の拳を鋼鉄の盾で止めその場に踏みとどまり、仲間に一斉のその身の丈ほどあろうかという大斧を振るわせていた。

真継は肘まで覆う黄金の手甲、第六天魔六狂工が一人、絡繰造子雷都からくりぞうしらいと作『絡繰幻手甲:烈火』で四方から振りかざされた大斧を受け止めるが、真継にとって興味の対象は一分の隙のないこの連携よりも、自分の一撃を受け止めた目の前の男だ。

「この盾は何だ、いや、それ以前にあんたよく立っていられるな」

「私の技術と、この盾があれば、この程度造作もない。力を殺すのではなく、受け流す。

おいて肉体こそ衰えど智を蓄えた歴戦の英雄をなめるな。若造が」

「素晴らしい、見事な技術だ」

「渡り歩いた戦場は百を超え、対峙した敵は1000を超える。すでに我の武ここに極まれり!」

「なるほど、それがお前の自信か、だが、その程度の戦場など、俺は齢10満たずとっくに超えている。その程度で極めたと、、なるほどそれがお前の限界か。ならば終いだ。だが、一瞬でも俺を楽しませた例だ。全力をもって答えて見せろ」

真継が両の手を素早く下げ、大斧と手甲に隙間を開けると僅かの距離で拳を加速し大斧を吹き飛ばし、拳を構える。すると黄金の手甲の手の甲の部分が内部で円盤が高速で回転し始め、その拳に炎が宿る。

「幻手甲:烈火、制約解除。行くぞ、これが我が武、我が技、天撃:迅火撃」

真継が体を回転させその場で加速し、全体重を拳にかけ、盾を構えた男の盾のど真ん中に拳をぶち込む。その衝撃は、技術で逃がすという次元にはなく、炎を纏ったことに意味などなく、ただの見事な正拳突きで主の骨ともども盾は粉々に砕け散る。

「これが我が技。やはり最初の技はお前の限界だったか。残念だ。たかだかその程度の経験で極めたなど笑いもならぬ。お前ではこの技、いかな技が込められているかすら、理解できないだろう。それがお前と俺の力の差だ」

真継は、幻手甲の力を開放させたまま進撃を続ける。

炎の中で舞うように、次第にその炎は、赤から、青へ変わっていく。

もはや、いくら鎧を纏おうと普通の人間では真継に近づく事すらできない。

だからだ、彼らが動くしかなかった。

あえてだ、真継が力を開放したままにしたのは、余興は十分、今求めるは敵。

「図に乗るな!原始の猿が、」

「来たか!鬼!」

真継の前に現れた機人はその手にした漆黒の太刀でフロッカスの軍人ともども薙ぎ払う。

真継はその太刀というより鉄塊に近いそれを掴み、抵抗せずにそのまま威力に任せ、後方に吹き飛び距離を取り、真継は幻手甲の絡繰を停止させる。

「力の剛鬼か、しかし、その大きさでその力、今までとのとは違うな」

「ほう、貴様、機人を知っているのか?だが、その力なら納得。

これは私の最高傑作。試作特機(特別機人)第6世代キメイラ。

力のみで機動性を持たぬ旧式と一緒にするな」

「最高傑作なのに試作機ってなんだ?不完全じゃねぇかよ。ちゃんと完成品を持ってこい」

「黙れ!!」

突然機人の口が開き、真継めがけ、火炎が襲い掛かる。

「火が好きなのだろ。だが、猿に火を使いこなすことなどできぬ。見よこれが使うという事だ!」

10秒も続く火炎による攻撃。

勝利を確信し、キメイラは油断し生死も確認せずに火炎を止めた。

だが、その瞬間、炎の中から現れた黒いそれはそのままキメイラに弾丸の如きに突っ込み、黒いそれは8mはあるキメイラを吹き飛ばす。

「織部凶太彦作、炭化塵羽織。鋼以上の強度に加え、圧倒的なまでの耐熱性を持つ。だが、今のはやばかった。危うく本当に焼き殺されるところだったぞ。幻手甲の炎は幻、認識一つで何とかなるが、本当に火を吐くとは、その頭邪魔だな」

真継は立ち上がろうとするすキメイラを、上空からの全体重をかけた蹴りでもう一度、地面にたたきつけると、そのまま追撃で、顔に全力の拳を叩き込むと、黄金刀で、キメイラの首をはねる。


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