『十三番目の座敷のプレスマン』
ある女が薪取りに山へ行くと、奥山に立派な家があった。尋ねていってみると、大きな家なのに、女が一人で住んでいて、ちょうどよいところへ来た。私は少しばかり出かけてくるから、その間、留守番をしていてもらいたい。家の中の茶や菓子は好きに飲んで食べてもらって構わないし、どの部屋で過ごしてもらっても構わないが、十三番目の座敷だけは、のぞいてもいけないし、決して足を踏み入れてはいけない、と言って、出かけてしまった。
女が、一番目の座敷から順々に見ていくと、床の間に虎の屏風があったり、座敷の中に滝があったり、いろいろな動物がいたり、おもしろい部屋ばかりであった。こうなると、十三番目の座敷の中が気になる。確か、のぞいてもいけないし、決して足を踏み入れてはいけない、と言っていた。のぞくだけで十分いけないのなら、決してのぞいてはいけない、と言うはず。となれば、のぞくまでなら、深刻な事態にはならないのではないだろうか。
などという勝手な推測で、十三番目の座敷の障子を開けると、そこには金銀赤青緑黄白黒のプレスマンが、ずらっと並んでいた。女は、生つばを飲みながら、うっかり足を踏み入れてしまった。
女主人が帰ってきて、十三番目の座敷の床に落ちているプレスマンを拾うと、ほかのプレスマンに混ぜた。
教訓:黒づくめの金髪長髪長身美女が、空飛ぶ機関車で旅をする話を思い出す。




