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傷の男

いよいよ俺の誕生日が来た。

その日は満月で、オオカミの遠吠えが夜の闇に反響していた。


そして俺は誕生した。

周囲を見ると助産婦らしき女性が俺を取り上げている。


「よくやったぞマーニャ!男の子だ!」


短髪の男が近づいてきた。

おそらく父親だと思う。


「目元があなたにそっくりね」


マーニャは俺を受け取ると愛しそうに頬ずりした。

と、その時、家のドアを激しく叩く音がした。


(来たか…)


開けちゃだめだ!

俺のそんな叫びは悲鳴によってかき消されてしまった。


「なんだお前たちはっ!?」


「我ら正義教団、『悪魔の子』を粛清しに来た。邪魔する者は皆殺しだ」


やはり来たか。

すかさず俺は『神眼』を発動して一番ガタイの良い男のステータスを確認する。

右眼の近くに傷がある男、いつもの奴だ。


種族:人間 ♂

名前:スカーフェイス

Lv:99

腕力:865

頑強:789

俊敏:465

知能:143

スキル:剛腕、硬化、連撃、斬撃の極み

裏スキル:邪神の加護、屍の檻


(っ!?)


傷の男、スカーフェイスのステータスを確認した俺は驚愕した。


スカーフェイスは、フォレストウルフ時代の俺の全盛期と比較しても圧倒的に高いステータスを持っていた。


しかも強そうなスキルを6個も持っている。

『剛腕』、『硬化』、『連撃』、あたりは肉体を強化するスキルや攻撃用のスキルだろう。

相手を縦に真っ二つに切断したのは『斬撃の極み』のおかげだろう。

もしかするともとは『斬撃』というスキルだったのかもしれない。


問題は裏スキル、『邪神の加護』と『屍の檻』だ。

正義教団となのる男の裏スキルに『邪神の加護』があるというのは絶対に不自然だ。

”正義”という名前とは対照的に、その本性は邪神を信仰する悪の組織なのか。


しかしこの『邪神の加護』という裏スキルは厄介だ。

俺が保有する『転生神の加護』を考えても、奇跡に近い効果を有するスキルであろうことが想像できる。

また『屍の檻』という謎のスキルについてもかなり警戒が必要だ。おそらくかなり特殊な効果を発揮するスキルだと見て間違いない。


(こんな奴に俺は勝てるのか?)


しかし勝たねばならないだろう。そうしなければ俺は人間に転生するたびにスカーフェイスに抹殺されることになる。

そして正義教団を名乗る邪神信仰者は無差別な殺人を繰り返すのだ。


そうこうしているうちに俺の周囲にいた人間は、俺を抱えている母マーニャを除き全員縦に真っ二つに切断されて、死体となっていた。

縦に真っ二つに切断するのは何か拘りでもあるのだろうか。

そしてスカーフェイスは俺の前に来てこういった。


「正義神様からの信託に従い、お前を殺しに来た。さらばだ『悪魔の子』よ」


スカーフェイスはやはり俺を『悪魔の子』と呼んだ。

こうまで必死に俺のことを排除しようとしてくるということは、邪神とやらは俺の持つ『転生神の加護』がよほど恐ろしいに違いない。


スカーフェイスは血濡れの剣を一振りして、母もろとも俺を両断しようとした。

と、その時、何者かが俺を抱える母を突き飛ばしたことによって、俺の命はかろうじて助かった。


誰だろう、心当たりがあるとすれば……


「キング、助けにきたよっ!!」


そこには右腕を切断されたセラの姿があった。

俺が最後に見た時のセラは女の子であったが、すっかり成長して大人の女性となっている。


「ぬっ、誰だ貴様!」


「私の名はセラ、命を救われた恩を返すためにここに来た!正義教団、私はお前たちを許さない!」


『聖女神の加護』を持つセラが俺を助けるために駆けつけてくれたのであった。



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