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女の子

フォレストウルフの王として君臨してはや十数年。

そろそろ俺は寿命を迎えようとしていた。


転生して正義教団と対峙しなければならないと思いながら、なかなか踏ん切りがつかずに生きながらえてしまった。


俺は群れを息子に託し、残された人生をひっそりと過ごすことにした。


すると、何か物音が聞こえた。

マッスルベアが暴れているような破壊音だ。


俺は音のする方へ向かった。

すると、人間の女の子がマッスルベアに襲われているところだった。

なぜ女の子がこんな森の中に一人で?


よくわからなかったが、元は人間として生きていた俺としては見捨てるのは忍びない。


『疾風』


俺はスキル『疾風』を発動させる。

『疾風』は風を身にまとい、俊敏を向上させる効果がある。


風をまとった俺はマッスルベアに一瞬で肉薄し、『爪撃』を放つ。


『爪撃』によって威力倍増された俺のひっかき攻撃により、マッスルベアの肉が抉られる。

かつては苦戦していたマッスルベアを相手にしても、今では余裕をもって勝利することができる。

マッスルベアは俺を見て咆哮をあげたが、勝てないとみて逃げて行った。


しばらくして、腰の抜けた女の子に俺は近づく。


「あっ、あっ、たっ、食べない、で、、、」


女の子からしたら、襲われる相手がマッスルベアからフォレストウルフにかわっただけだ。

しかし俺は女の子を食べる気はない。


(このままここに放置すると他の獣に食べられてしまうことだろう)


これも何かの縁だ。

女の子を見捨てることはできない。


(しかし言葉がしゃべれないのは不便なものだ、どうしたものか)


俺は女の子の服を噛んで無理やり背中に乗せた。

老体に鞭打って俺は走り出した。








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