魂宿るポーション
俺はさっそくエルフの女王陛下に謁見することとなった。
と言っても俺はポーションだから、謁見というのがあっているのかどうか不明だ。
「ハイネ、私の古い友人よ、よくぞ里に戻ってきました」
玉座には妙齢のエルフ女性がいた。
ハイネ婆さんと古い友人だということだが、女王陛下は全く歳をとっていないように見えた。
「帰ってきたわけじゃないけどさ、たまには顔くらい見せないとね。それと、面白いものが手に入ったからお前さんに見てもらおうと思ってね」
ハイネ婆さんはそう言うと俺を保管用木箱から取り出した。
「こ、これは…」
「あたしにはなんだかよくわからなくてね。しかしこんなに神々しいポーションを見たのは初めてでね、あんたに鑑定してもらおうと思ってもってきたのさ」
「そういうことですか、良いでしょう」
『鑑定』
エマルトリアはスキルを発動して俺を見つめた。
「ふむ、ただのマナポーションのようですが、ハイネがそこまで言うのなら何か秘密があるのでしょう」
そしてエマルトリアは別のスキルを発動させ、再度俺を凝視した。
『魂魄眼』
エマルトリアは謎のスキルを発動させて俺を視た。
今度はエマルトリアの両目が青白く光っている。
そして次の瞬間、勢いよく立ち上がった。
「こ、これは!!!」
「どうしたんだい、そんなに慌てて」
エマルトリアははっと気が付くと、すぐに玉座に座りなおした。
そして平静を装ってこう言った。
「そのポーションには魂が宿っています。そしてその者は『転生神の加護』を持っている」
それを聞いたハイネは取り乱した様子でこういった。
「と、ということはこのマナポーションは、いやこの御方は」
「そう、勇者様です」
なんと俺は勇者だったらしい。
正義教団は俺の事を「悪魔の子」と呼んでいたのにな。




