夢幻収納
次の瞬間、俺は固い地面に横たわっていた。
どうやら『夢幻収納』によって、邪生物の右腕は謎空間に収納されてしまったらしい。
そして近くには腹に穴が開いて出血しているセラが仰向けで横たわっていた。
「セラ、大丈夫か」
「キング、良かった…。でも私はもう…マナが…」
セラの顔から見る見るうちに生気が失われていく。
どうやらマナ切れによって回復することができないようだ。
急速に冷たくなっている様子を見て俺はまたしても賭けに出る。
『夢幻収納』
次の瞬間セラの身体は消滅していた。『夢幻収納』によって収納されたのだろう。
『夢幻収納』は生物であっても収納することができるのかもしれない。
とすれば、スカーフェイスの本体も収納することができるのだろうか。
希望を見出した俺は暴れているスカーフェイスに声をかける。
「おい、スカーフェイス。こっちにこいよ、俺が相手をしてやる」
「×△■□~?」
半狂乱のスカーフェイスは地面に転がっている俺を見ると涎を垂らしながら近づいてきた。
そしてそのまま大きな口を開けて俺に噛みついた。
鋭い牙が俺の腹部に突き刺さり、激痛が走る。
しかし何とか俺は痛みをこらえて裏スキルを発動させた。
『夢幻収納』
すると次の瞬間、邪生物スカーフェイスは消え去り、『屍の檻』もいつの間にか消滅していた。
様子をうかがっているフォレストウルフ達がこちらを見ている。
かろうじて生き延びた俺だったが、噛まれた時の傷が心臓に達していたらしく、しばらくすると息を引き取った。
こうして俺は三度目の転生で宿敵スカーフェイスを『夢幻収納』に封印することに成功したのだった。
---
そして翌春。
俺はまたしても花に転生していた。




