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邪神の加護

スカーフェイスが『邪神の加護』を発動させたとたん、スカーフェイスはどす黒いオーラを纏って膨張した。

皮膚は黒に近い紫色に変色し、もはや人間とは思えない。

骨格も大きく変化し、やや獣に近い姿に変身していく。

腹に空いた大きな穴はいつの間にかふさがったようだった。


俺は怖気を感じ、再びスカーフェイスのステータスを確認した。


『神眼』


種族:邪生物 ♂

名前:スカーフェイス

Lv:99

腕力:1345

頑強:1256

俊敏:789

知能:89

スキル:剛腕、硬化、連撃、斬撃の極み

裏スキル:邪神の加護、屍の檻


スカーフェイスは人間から邪生物に生まれ変わっていた。

そして各ステータスも大幅に上昇している。


「変身してさらに強くなった!?」


「セラ、俺を置いて逃げろ」


俺はセラに逃げるように言った。

俺は転生できるため、ここで死んだとしてもいずれ復活することができるだろう。

しかしセラはそうはいかない。

いくら無限の回復手段を持っているとしても、いずれ邪生物スカーフェイスに殺されてしまうに違いない。


「私は逃げないよ!キングは私が守るんだから!!」


セラはスカーフェイスに突進した。


「ホーリースマッシュ」


先ほどスカーフェイスの腹を貫通した魔法だ。

セラは拳に聖魔法を纏わせて、棒立ちのスカーフェイスの顔を殴りつけた。


「なっ!」


しかし先ほどと違い、スカーフェイスは『ホーリースマッシュ』を受けても全くの無傷であった。


「〇×△?□◆○△」


スカーフェイスが発する声は理解不能な音となっていた。

そしてスカーフェイスはセラの方を向くと右腕を一気に膨張させ、セラの腹を貫通した。


「×××!×△◆」


先ほどのお返しだとばかりに騒ぐスカーフェイス。

あれだけ真っ二つにこだわっていたのに、頭の中まで邪生物になってしまったのだろう。


腹を貫通されたセラは、スカーフェイスの右腕を掴んだまま動かない。

『聖女神の加護』を持つセラがこの程度で死ぬはずがないのだが…。


「キングは私が守る」


セラの腹のあたりに光が集中した。

なんとセラはスカーフェイスの右腕に腹が貫通された状態のまま、回復を試みているようだった。

そしてセラは両腕と両足を使ってスカーフェイスの右腕をがっちりと固定すると、スキルを発動した。


「ホーリースクリュー」


その瞬間、セラの身体は、聖なる光を噴出しながら勢いよく回転した。

スカーフェイスの右腕はセラと一緒に回転し、そのまま付け根から捻じ切れた。


「△◆×□■△ー!」


右腕を失ったスカーフェイスはのたうちながら叫び声をあげた。

捻じ切れた部分からはどす黒い血液がとめどなく噴出している。


セラは右腕と共に地面に落下し、ぐったりとしていた。


すると、本体から切り離された右腕は意思を持つかのようにのたうち回ると、セラの身体を伴って俺の方に這いずり寄ってきた。


本体と切り離されたのにも関わらず、俺を殺そうとするすさまじい執念を感じる。


セラは気絶しているのか、ぐったりとして動く気配がない。

絶体絶命の状況だが、俺は赤ん坊のため身動きが取れない。

何せついさっき生まれたばっかりなのだ。

根返りを打つだけでも精いっぱいなのに、逃げることなどとてもできそうにない。


「させない」


セラは意識を取り戻したようだ。

しかし冷や汗を流しており、尋常ではない様子だ。


「ホーリースラッシュ」


聖なる斬撃を放って這いずる右腕を食い止めようとするセラだったが、先ほどと比べて輝きが弱い。

そして回復したはずの腹からもかなり大量に出血している。


「マナ切れか…キング、ごめん…」


魔法を使いすぎると「マナ切れ」という症状が出るらしい。

言葉の雰囲気からして、もう魔法は使えないということだろう。

最後の力を振り絞って作り出した聖なる斬撃は、右腕をとめることはできないようだった。


そのまま右腕に掴まれた俺は、大きな手のひらで握りつぶされようとしていた。


赤子のため抵抗すらできない俺を、握りつぶそうとしてくる。


そこで俺は、最後の賭けに出ることにした。


今回の転生で授かった裏スキルを発動させることにしたのだ。


『夢幻収納』


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