表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ステータスを確認したよ


 なんってね。


 無理にテンションガン上げしようと思ったけど無理だ。日頃のストレスと疲労でテンション上げられないわ。と言うか、頭が着いていけてないのが事実なんです。もう歳でね。頭の回転が遅いんです。理解する為に時間を要するんです。


 説明してくれているなんか偉そうな髭の生やした大臣みたいな人の、有難ーく長ーいお話を右から左へと流し聞き、その隣に佇んでいたお姫様的な女性に言われたこと最後のセリフだけを何とか理解した。


「皆様方には稀有なスキルが宿っているかと思われます。是非ともそのスキルを確認し、私達に教えていただきたいのです」


 なんか頭お花畑かな。


 金髪ロングなお姫様だけど装いが派手だ。そんな格好の女性から飛び出す言葉に思わず出た率直な感想。幼女的思考回路に逃げた私に言われるとは相当だぞ。


 その後に続く説明で『ステータス』と唱えることで自分の情報を自分だけに開示できるとの事。私は首を傾げていたけど流石は高校生達、理解が早く興奮気味にステータスと口にしていき、なんか声を上げて喜んでいる。若いってのは伊達じゃないね。多分1つか2つしか変わらないと思うけど。


 私は楽しげな輪の外で1人悲しく理解に勤しむ。この場で己のステータスとやらを確認しないと話は先に進まなそう。チュートリアルか何かでしょうか。


 さておき行きましょう。声を揃えて言いましょう。せーのっ。


「すてーたす」


 ちょいと恥ずかしく、小声で唱えてみるとあら不思議。すわゲームかと言いたくなる画面が眼前に現れた。薄い青いディスプレイ。そこに以下の表記がなされていた。



 名前:天星(あまほし) 凛音(りんね)

 種族:人間

 年齢:20

 レベル:──

 スキル:【降霊】【流転】



 というのが私のステータス、らしい。随分とまあ簡素だね。RPGよろしく攻撃力等々のステータスは無し。名前と種族と年齢とレベル、スキル。それだけ。


 よく分からないのはレベルとスキル。レベルはなんで表記無しなのだろうか。壊れてるんじゃないのこれ。いや、私の表示だから私が壊れているのか。私ってレベル超越済み的な?カンスト的な?


 蘇る小中高で繰り広げられた体育の授業の記憶達。


 おい。誰だ運動音痴と言った奴は。誰だ鈍臭いと言った奴は。ただ縄跳びで飛べなかっただけだろう······縄で足を打ちすっ転んだだけだ。ただ何も無いところで転けただけだろう······同じ日にたったの数回だけだ。かけっこ最下位常連で何が悪い。リレーの時に周囲から冷めた目で見られるけど何が悪い。ジャンケンでチームメンバー決めるやつあるじゃん。あれに最後まで残る子の気持ちを考えたことがあるか?花いちもんめよりキツイんだぞ、あれ。


 こほんっ。まあ、レベルは横に置いておこう。直視しちゃいけない問題だろうから。取り敢えずスキルの方が気になったし、そちらを確認してみようかな。詳細も意識すれば見れるらしいから。先ずは【降霊】をと。



 【降霊】

 現世に彷徨う魂を身に宿す。

 その魂が有するスキルが使用出来る。

 魂と対話することが出来る。

 ※現在ストックしている魂はありません。



 ふぁーん。肉体を失った魂を体に、ねぇ。何となく名前通りのスキルらしい。私は霊感意識高い系女子だったんだね。小学生、ギリ中学生までなら人気者になれただろうに。大学生でその設定はイタイやつだよ。虚しいやつだよ。ぼっち拗らせた何者かだよ。


 魂を身に降ろして体を乗っ取られたりとかしないのかな。そこんとこ怖いな。私の魂って弱そうじゃん。そこら辺の悪霊に押し負けそうじゃん。


 ストック云々と言うのは、幾つも持てたりできるのかな。いや、人の魂を幾つも抱えるのは嫌だな。リードか何かで繋ぐのかな?それともゲットだぜチックなボールに入れたり?できるなら後者でよろしくしたいです。


 他人事のように情報を閲覧。凄いのか凄くないのか分からないし、私幽霊とか怖いから嫌いなんだよね。旧友と一緒にお化け屋敷に入ってガチ泣きした記憶が新しい。次に誘われたら今度はちゃんと断ろう。もうパンケーキに釣られたりなんかしないもんね。


 長く眺めてしまったけど【降霊】はこれでいいかな。さてお次は【流転】だね。見てみよっと。



 【流転】

 貴女は死にました。



「······ふあ?」


 思わず口を開いて声を漏らした。


 え、なに、どういう事?


 焦った私は見間違いかもと目を擦り、目を開くも同じ文章。一旦消して、もう一度表示させても同じ文章。しぱしぱ瞬きしても変わらない。何度見ても『貴女は死にました』


 なんで"お前はもう"に続く台詞のような一文が添えられているの。


 た、確かにさ。トラック転生とか事故死転生みたいな類のものは知ってるよ。あれでしょ。不手際で死んじゃって〜〜ぇぇ、みたいなやつ。ちょっと抜けた女神さまのミスで死んじゃったてへみたいな。ゆるしてこれあげるから〜〜ぁぁってチートを貰うんでしょ。わたし知ってる。でもこれは知らない。なんで貰ったものの説明に、ゆー死んでるぜキラン、みたいに言われなきゃならないの。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ