魔法学校・面接(プロローグ)
魔法学校。それは二大学校の一つ。魔術を基礎から学ぶことができ、魔術の研究が最先端で進められている場所である。魔力を持つ者ならば入学が許され、種族や年齢は関係ないとされている。
「それでは軽く自己紹介と志望動機を」
「はい、受験番号47番ロンドです。よろしくお願いします。ここに来る前は辺境の村で母親と二人で暮らしていました。志望動機は魔法に興味があり、研究をしたいと思ったからです」
「君若いね。いくつ?」
「十二になったばかりです」
「筆記試験と実技試験を通過した者の中で最年少だな」
面接官はロンドを注意深く観察している。実際、筆記試験も実技試験も十二歳の少年が突破できる内容ではない。
「魔法の研究をしたいと言っていたが、具体的にはどんな魔法を研究したいのかな?」
「はい、防衛魔法です」
「防衛魔法?攻撃系の魔法ではないのかい?君ぐらいの年の子は、爆裂魔法などの派手な魔法を好みそうだが」
ロンドは少し間をあけて、返答する。
「はい、防衛魔法の研究がしたいです」
面接官はロンドの空気が変わったのを感じて質問を変更した。それ以降の質問にロンドは当たり障りのないテンプレ通りの回答をした。
「それでは、最後にわからないことや質問はあるかね?」
「一つ分からないことがあります」
「何だい?」
「どうして変装魔法を使っているのですか?」
「ほう、これに気づくのかい」
面接官は変装魔法を解いた。見た目は六十代から三十代ぐらいに若返り、服やアクセサリーもより高価そうなものへ変わった。
「やはり、学長でしたか」
「そこまで看破されていたか。変装の理由は受験者の緊張をなくすためが一つ。もう一つは極稀に現れる見抜けるものを探すためかな。君みたいにね」
「見抜けると何かあるのですか?」
「いいや、特に何も」
ロンドは学長の笑顔を不気味に感じながらも、それ以上は何も質問しなかった。
「それじゃ合格したら、また入学式で会おうね」
「……」
面接は終了し、数日後ロンドのもとに合格通知が届いた。
「学長!あのロンドって少年が変装魔法を見抜いたって本当ですか?」
「ああ、面白い子だったよ。将来が楽しみだ」
「それが本当なら、もう魔眼を開眼している可能性もありますね」
「十二で魔眼を開眼させた例は聞いたことが無いな」
面接終了後、早急に職員会議が開かれた。
「それで?彼は誰のクラスになるのですか?」
「いろいろ考えたが、ロベルタのクラスに入れようと思う。頼まれてくれるか?」
「はっ!学長の頼みであれば」
「ちょっと学長!新人のロベルタに任せるのは危険ではないですか?」
「まぁ大変だけど、僕はロベルタの成長にも繋がると思っているから、彼女がいいな」
「学長の期待に応えられるように、全力で務めさせて頂きます」
教員になって初めて受け持つクラス。ロベルタは期待と不安を胸に抱いていた。
「学長もお厳しい方だ。ロンド君がいなくても大変そうなクラスなのに」
「愛の鞭ってやつだよ」
「そういえば学長の娘さんもロベルタのクラスではなかったですか?」
「そうだね。よろしく頼むよ!」
「頑張ります!」