第9話
「リンダ……結果としてはよかったんじゃないか? もしかしたらルイ王子と幸せになれるかもしれないぞ?」
「アーサー……そういう問題じゃないわ。この身を犠牲にしてでも、どうにかしてわたしの代で呪いを終わらせないと……ベルナール家を途絶えさせるわけにはいかないわ」
わたしとアーサーは教会のバージンロードを歩きながら途方にくれていた。
教会中のろうそくに灯かりがともされ、なかは昼間のように明るかった。
並み居る貴族たちは正装し、これから即位する王子と姫君の結婚式に緊張しながら参列していた。
このベールを上げられたら、ルイにわたしがロラ・リシャールだとばれてしまう!
だが、うまい解決策も見つからないまま、わたしとアーサーはルイ王子の前に到着してしまった!
ルイ王子は輝くばかりの白い衣装を身につけ、うれしそうに笑っている。
残念だけどこれから先は、彼のこのような笑顔をわたしに向けさせないように努力しなければいけない。
いったいどうしたらいいのだろう。
さすがのわたしもお手上げだった。
うしろでわたしのドレスのすそを持ってついてくるオーロラも不安そうな面持ちだ。
ベールを脱いだ彼女は正装している。
さすが一国の姫君。
彼女の美しさに皆が息を飲んで注目している。
ミシェルなんか、フードを被っていて表情まではわからないけれど、乗り出してきてかぶりつきで見ている。
なかなかに俗っぽい魔法使いだ。
このスキに逃げたい。
でも、しっかりとルイに腕をとられてしまっている。
ルイと一緒に司祭の前で永遠の誓いを立てた。
わたしとルイは皆の前で向き合う。
ルイがわたしのベールに手をかけた!




