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君が魔法を使うたび  作者: まつなつ
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師匠とお姉さん

「フィル、掴まって。」

「ちょっと!」

ネオンは魔法を使い始めた。

「ま、魔法!?やはり貴様ら!」

衛兵は剣を抜いた。

「こっちだ!こっちに不審なものがいるぞ!」

ネオンはアトリエの手を掴み、魔法を使った。

次の景色は緑だった。転移魔法を使ったのだろう。

「さてと、危なかったね。捜索を続けようか。」

「あの街が大混乱に陥っていないことを祈ろうか...。」

アトリエとネオンは少し歩いて茂みに隠れた。

「よし、ここからだとよく見えるね。」

門から衛兵の大群が出てきた。魔王軍に立ち向かう気だ。

衛兵の100メートル先に魔王軍が差し掛かっていた。

「あれが魔法使いかな、10人くらいか。少なくなったもんだ。」

衛兵に囲まれている甲冑の着てない人たちがいた。

「ネオン、遠すぎて顔が見えないよ。」

「仕方ない、近づこうか。」

アトリエとネオンは茂みに姿を隠しながらしゃがんで歩いた。

しかし魔王軍の騎馬隊は衛兵達のすぐそこまで来ていた。

「このままだと衛兵と騎馬隊が先に接触してしまうよ!」

「けど、バレたら多分攻撃されるし。」

「お姉さんが死んだら元も子もない!」

ネオンは何かを感じ取った。

「ん?」

「どうしたの?」

「足音がする。」

アトリエは感じ取れなかった。

ネオンは杖を構えた。

「ちょっと!住民とか動物かもしれない!」

「住民は全員避難してるはず、そしてこれは人間の足音だよ。ちょっと待ってて。」

ネオンはアトリエに魔法をかけた。

「ちょ、ちょっと!!」

アトリエは空を飛んだ。

そして、ネオンはまたしても魔法を使った。

「「「絨毯火爆じゅうたんかばく」」」

「なにしてるの!?」

ネオンが放った魔法は広範囲への攻撃だった。

「やばいね。」

ネオンは防御魔法をアトリエも囲むように張った。

「ちょっと!なに!?」

ネオンの放った火が跳ね返ってきたようだ。

「まずいな、魔法を跳ね返すことができるのかな?」

「敵は魔物なの!?」

「わかんない。けどこの巨大な魔法。人間にしては強すぎる。おそらくは魔物だろうね。」

足音はアトリエに聞こえるほど近づいてきた。

「うーん、感触では殺ったと思ったんだけどなぁ。」

その足音は姿が見えるほどまで近づいた。

アトリエは何かに気づいた。

「...あれは!おね...」

アトリエは違う場所にいた。ネオンの転送魔法によって放されたのだ。

「まずい!ネオンはあの人がお姉さんだと分かってない!」

ネオンは防御魔法を解き、お姉さんと相対した。

「君は何者なのかな?」

「私もそう言おうとしていたよ。私はエヴァン。君のような攻め込んで来た魔物を倒すことを生業としている。」

「ちょっと待って。僕は魔物じゃない。」

「人間に化ける魔法を使う魔物は全員そうやって言うよね。」

「君こそ人間なのか?魔法は人間の器ではないように見えたけど。」

ネオンは考えた。

人間であそこまでの魔法、おそらく呪将までも殺せそうだな。

そして攻め込まれている都市にわざわざ出向くお人よしさ。

「エヴァンって言ったね。君、魔物に襲われた村を助けたことはあるかい?」

「この生涯で幾つもの襲われる村を見た。そして私は、この忌々しい魔法の力で助けた。」

「それじゃあエヴァン、なぜか呪将が攻め込んだちっぽけな村の存在を知っているかい?」

「...。」

エヴァンは何かを思い出したような様子だった。

「知ってそうだね。」

「あの村か...で、知っていてなんだい。もしかして仇を討ちにきたとか?」

「僕の弟子にあの村にいて君に助けられた子がいる。それとは関係なく、あの村について聞きたい。」

「小さな村に呪将が攻め込んできたこと?」

「察しが良くて助かるよ。」

「けどその前に、君は強いよね。あの都市を助けてやってよ。魔物に襲われてるんだよ。」

「ごめんけどそれはできない、僕たちはこれから魔王領に行かなければならない身だ。わざわざ目立って殺されに行くのはごめんだ。」

「助けないのなら私は君に対して不信感を抱いて君を魔物と疑うね。そして呪将が攻め込んだ村のことなんです絶対に言わないよ。」

「なんで君があの街を守ろうとするのかは、あの小さな村との理由は同じ?」

「そうだね。」

「うーん。」

ネオンは考え込んだ。

「いいこと考えた。」

「なに?あの街のために戦ってくれる?」

「戦うよ。けどその成果は君のものにしてもらうよ。」

「あくまで目立たないようにってわけね。けどこれだけ聞かせて欲しい、君体感で寿命はあとどれくらいなのかな?目の前で人が死ぬのは嫌いでね。しかも私のせいで。もしないなら引き受けないでくれて構わない。君が立ち向かおうとした姿勢は魔物のようには見えないからね。」

「僕は大丈夫だけど、君はどうなの?聞いた話だと数年前から魔法を酷使しているらしいね。既に相当な寿命を削っているはずだよ。」

「もう私は長くないだろうね。まぁ私は死ぬとかどうでもいいけどね。」

「なんで自分の命を捨ててまで知らない人を守るんだい?」

「その話は後ででいい?衛兵達が全滅してしまいそうだ。」

もう魔物と衛兵が接触している。

衛兵が盾となり後方で魔法使いが攻撃している。

あの魔法使いは故郷のために寿命を削り、街を守っている。

「聞きたいことがたくさんあるけど、まずあれを助けてやらないとね。」

「行くよ...あーえっと、名前教えてくんない?」

「僕はネオン・テール。」

「...テール?」

「ん?どうしたの?」

「...いや、なんでもない。行こうか。ネオン。」

「僕があの軍隊を一掃してエヴァンが目立って、って感じでいいよね。」

「うん、問題ないよ。」

ネオンは杖を持ち、転送魔法で魔物軍の裏側へ飛んだ。

「「「爆葬」」」

ドゴオオォォォン!!

瞬時に炎を出しすぐさま魔物軍の上で爆散した。

「うーん、やりきれないか。」

「貴様ら!裏に魔法使いがいるぞ!近くのものはやつを殺せ!」

軍を率いている呪将がネオンを見つけ、騎馬隊の数十騎をネオンに向けた。

「呪将だけ殺せばいいかな。」

ネオンは呪将に杖を向けた。

「あの女を殺せ!!」

「「「死刻冥しこくめい」」」

黒色の光が呪将へ放たれた。

「貴様!!」

呪将は防御魔法を展開した。

「これは防ぎきれぬ!」

と呪将は言い、ネオンの魔法を防御魔法で逸らした。

「流石にそんな柔じゃないか。」

「終わりだ!」

騎馬隊はネオンの直近まで迫っている。

「エヴァン、あとは勝手に目立ってね。」

いつの間にかエヴァンは魔物軍の近くに迫っていた。

そしてエヴァンは魔法を展開した。

「「「反鏡呪」」」

ネオンが放った魔法が呪将の背中に刺さった。

「何ィ!?」

すかさずネオンは近づいてきた騎馬隊に魔法を放った。

「「「爆葬」」」

魔物軍の騎馬隊はもう一目で視認できるほど少なくなっていた。

「それじゃ僕は逃げるからさっき会った所に明日来てね。」

「わかった。ありがとうね。」

ネオンはまた転送魔法を使った。そこにはアトリエがいた。

「ネオン!あれがお姉さんだよ!」

アトリエはネオンとエヴァンが戦っていたのではないかと心配している様子だ。

「分かってるよフィル。もう彼女と協力して魔物軍を追い返したから街の心配しなくていいよ。」

「それはよかった。お姉さんとはもう話したの?」

「明日、お姉さんと会った所で落ち合うよ。」

「私もお姉さんにお礼しないと、名前は聞いた?」

「エヴァンっていうらしいよ。」

「元気そうだった?」

アトリエはエヴァンのことが心配なのだろう。

アトリエが子供出魔物に襲われた頃から魔法を酷使している。

「元気そうではあったけど...。」

「どうかしたの?」

「自分でもう先は長くないって言ってたね。」

アトリエは少し俯いた。

「...そっか。」

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