人探しの作戦
絶対に反対しないので作戦を教えてくれない?」
とアトリエはネオンと朝ご飯を食べながら言った。
「うーん。絶対だよ?」
とネオンは仕方なさげに、
「昨日騎馬隊を追い返したでしょ?もう魔王軍はこの都市を支柱に収める計画がある。だから昨日この都市を攻めようとしたんだ。けど昨日のは偵察ってとこかな。昨日のは500騎しかいなかったし、あの感じだと率いていたのは亜将だしね、多分またいつか、もっと巨大で呪将が率いる軍勢でこの都市を攻めに来ると思うんだ。」
「その時、魔法使いがその軍勢を止める。この街にいるんだとしたら、そこで戦ってる魔法使いにいる可能性が高いのか。」
「うん、フィルの話を聞くと随分お人好しの困ってる人を助ける魔法使いだ。しかも呪将に勝てるほどの。」
「なんで私が反対するの?」
とアトリエは疑問をぶつけた。
「この作戦、僕とフィルは軍勢は来ても戦う予定は無い。」
「え?どういうこと?」
「僕はまぁ心配ないけど、フィルはこれから魔王領に攻め込む身だ。無駄な魔法なんて使ってられないだろう?」
「私はまだ分かるけど、なんでネオンまで?」
「この街は無駄に魔法使いを神のように崇める習性がある。その情報はいつか魔王軍にまで伝わる。僕たちは魔王領の3つの内1つを落とす時までは無名でいないとほぼ勝ち目がないんだ。僕が魔法を使うのは最低でもこの街の住民が全員死んでからだね。」
「なんで無名じゃないといけないの?」
「魔法使いは少ない、その中で秀でた者を殺すだけで魔王軍は相当な優位になる。だからこそ、ここで目立つと、城に攻め込む前から僕たちは大量の軍勢に追われることになるね。多分そのお姉さんが」
「私たちが魔法を使わないと、この街の魔法使いの寿命が...」
「それはフィルも同じだ。けど志が違う、この街にいる魔法使いなんて、ほぼ確実に冒険者じゃない。魔王領に攻め込もうとしてる途中かもだけどね。」
「...でも。」
「仕方ないんだ。フィル。最低でもお姉さんがいたらその人だけは保護するようにはするから。この街に住んで、住民から崇められている魔法使いに任せよう。」
アトリエは絶対に反対しないと言ってしまった為、強く反対はできなかった。
それから数日がたった。
ゴン!ゴン!ゴン!ゴン!
夜にいきなり鐘が鳴った。
「魔王軍が来たぞー!!」
「みんな避難しろ!」
衛兵が街の真ん中で叫んでいた。
「ようやくだね。よし、フィル、お姉さんを探そう。」
「...うん。」
アトリエはこの進軍に攻撃できないことを不服に思っていた。
「とりあえず高台に行って周りを見てみよう。」
アトリエとネオンは宿から出て展望台に登った。
「おー、結構遠くにいるね。3000騎くらいかな。よく見えたもんだよ。魔法使いは見えないね。」
ネオンは門外を見ていた。
「おい貴様ら!そこで何をしている!早く避難しろ!」
衛兵が梯子を登っていた。
「ん?貴様らどこかで...」
「いやいや!すいません〜避難経路を間違ってしまって...。すいませんね〜。」
アトリエはネオンの手を引っ張りそそくさと逃げようとした。
「おい!待て!思い出したぞ...。貴様ら魔物の疑いがあった旅人だな!」
アトリエはビクついた。
「この襲撃と、貴様らがほっつき歩いているのは関係がありそうだ!連行させてもらう!」
衛兵が迫ってきた。




