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2-1 

 ゴーン、ゴーン、ゴーン………



「───ッ!?」



 ワンスは息を呑んだ。


 時刻を報せる大きな時計のカウントに? 違う。


 刺突されたはずの脇腹に? それもあるが、少し違う。



 死体が残らぬほど強烈な爆発で死亡したツードが、目の前にいたからだ。



「………」


「………」


「………」


「………」


「………」


「………」


 誰も、なにも発しなかった。


 聞こえてくるのは壁の時計の音だけ。


 だがそれもカウントが終われば消える。


 ワンスはツードを凝視し続けた。ツードはかなり酔っているのか、蒼白になりながらもワインが注がれたグラスを掴む手が震えている。


 それから改めて周囲を見渡した。ここにはあの時死亡したはずのツード含め、十人が揃っていた。



 まずはワンス。二十歳。ナンバーズ家の人間ではないがツードに息子同然と称され招待を受けた。殺人事件の解決に尽力する。


 次にツード。四十三歳。ナンバーズ家の三代目の代表。生誕祭は都内の豪邸で行い、今日は家族だけで過ごす時間を作った。で、殺された。


 ツードの妻、スリール。三十五歳。有名建築士の娘。豪華絢爛なドレスを身に纏う美しい女性。


 ツードの長女、フォーム。十九歳。透き通るような白い肌に端麗な容貌。ツードによると、著名な政治家の息子と婚約させたらしい。


 ツードの長男、ファイヴァ。十四歳。まだ遊びたい盛りが顔や姿に出ている。父親の前では大人しいが、目が届かないところでは酒や煙草を嗜んでいた。つまり不良息子。四代目を期待されているゆえ、なにをしても許されると勘違いしていそうな印象。


 シックサ。二十五歳。ツードの執事。ツードが信頼を寄せるほど敏腕。長身痩躯のハンサムな青年。


 セブンヌ。四十七歳。この別荘の庭師をしている。


 エイメ。十八歳。自宅から連れてきたメイド。若いのに働き者。なんならワンスが嫁に欲しいと思ったほど。ただしドジで、仕事中は必ず一時間に一回は失敗する。


 ナイア。三十九歳。キッチンをたったひとりで回しているシェフ。


 テンガ。四十一歳。彼はワンスとツードが初めて会った日に探していた、ツードの実弟とのこと。ただ定職に就いておらず、毎日遊んで暮らしているらしい。



 このなかの誰かひとりがツードを殺し、そして誰かひとりがワンスを殺した。ワンスが刺殺された際、ツードを爆破した犯人は座ったまま行動すらしていなかった。


 とはいえ、犯人はわかっている。両方だ。


 が、今は動くわけにはいかなかった。


1から10まで関連する名前にしてみました。これで覚えてくださればと思います。


にしても、テンガって………あ、いえ。なんでもありません。


ここからドタバタなカオス劇場が始まります!

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