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白竜異聞伝 優樹の少し不思議な非日常  作者: 朝倉 月虹
序章
1/3

一話 始まりの日

『ノリと勢いを形にしてみよう計画』第一弾の記念すべき作品です。まだまだ未熟な出来ですが、楽しんでいただけると幸いです。

ちなみに、話によって方向性が変わるので、タグは最低限のものだけつけてます、後でつけるかもしれませんが。

これは、俺が体験した奇妙な出来事の話


「お待たせ、待った?」


「いや、全く。」


二月五日、俺は幼馴染の優樹と一緒に、新東京に来ていた。優樹のもとに送られてきた、

アルカナへの招待状に、友人もつれてくるように書かれており、それで俺についてくるように昨日の昼に連絡してきた。


「うっそだぁ、だって僕、待ち合わせの時間に30分も遅れてきたんだよ?」


「この前は2時間も遅れてきたんだ、この程度想定内だ、ふざけやがって。」


「えへへ、それじゃ行こっか。」


俺と優樹はアルカナの位置する都心部へと歩く。科学技術で発展した日本の首都のど真ん中に、魔道研究施設があるというのは、ある種の矛盾のようにも思える。


「しっかしお前も変わったな、まさかアルカナに招待されるほど魔学を勉強するなんて。」


「まぁね、これでも学校じゃ優秀な方だもん。そもそも、牧が女装の交換条件に成績を要求してきたでしょ」


「これなら全教科学年トップを条件にした方が良かったかもな。」


そんなくだらない話をしながら歩く。今日の新東京は竜の化石の話で持ちきりだ、ビルの大型モニターには、アルカナで一般公開されている様子が映し出されている。

優樹の招待状には、この化石についても書かれていて、希望するなら間近で見せてもらえるらしい。至れり尽くせりな話だ。


「よし、着いたー!やっぱりいつ見ても凄い建物だよねー。」


アルカナは、中央に昇降機用の塔があり、その周囲に浮遊する環状のフロアで構成されている。科学的には何とも不思議な造りだが魔法的には合理的な造りらしい。


「いいから早く受付済ませてこい、予定の時間ギリギリなんだから。」


実はここに来る途中、優樹はあろうことか寄り道をしまくっていたのである。優樹は小走りで受付に向かい、奥から出てきた職員とこちらに戻ってくる。


「初めまして、君が木田 牧人くんだね?僕は飛伝(ひでん) 和葉(かずは)、普段はここで医療研究をしてるんだ。今日は君たちにこのアルカナを案内するから、よろしくね。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


「よろしくぅ!」


「おい。」


「はは、元気いっぱいだね、それじゃ、まずは2階の実験フロアに出発だ!」


「おー!」


それから、このやけにノリのいいお兄さんと共に、各フロアを見学していった。もっとも、俺にはほとんど分からないものばかりだったが。なので、ここは俺にも分かる話になったフロアになるまで話を飛ばさせてもらう。


「さて、ここが展示フロアだ。知っての通りここは博物館でもある。今は竜の化石が公開されてるけど、他にも様々な魔法器が保管されているんだ、一般公開はされてない物がほとんどだけどね。」


「成程な」


3人で人のいない展示フロアを歩く。少し前まで、ここには化石を一目見ようと足を運んだ来館者が大勢いたのだが、今は閉館時間のため、貸し切り状態というわけだ。


「あっ、見て牧!これ凄いよ!」


突然優樹が袖を引っ張り、展示品の前に連れてこられる。その展示品は小さな黒い立方体で、よく見ると青いラインが入っている。

優樹は目を輝かせて見ているが、俺にはさっぱり分からなかった。


「何これ?」


「この前化石の発掘された場所で出土した魔法器だよ!少し前に、機密情報が入ってるって話題になってた奴!」


その説明で、一週間くらい前に報道されていた『ブラックボックス』のニュースを思い出した。


「化石と関係があるって騒がれてた奴か。」


「へぇ、よく知ってるね。実際、これと化石でいくつか実験をしたけど、何も関係が無かったんだよね。」


「そうなんだー。」


「よし、じゃあ次はお待ちかねの竜の化石の展示室に行こう!二人はテレビ越しに見たかもしれないけど、実物の迫力は凄いぞー!」


飛伝さんが展示室のロックを解除し、扉が開く。部屋の中央には、飛伝さんの背丈の倍以上の大きさの竜の化石があった。


「これが…」


「神秘的…」


「この化石、常に微弱な魔力を放っていてね、周囲への影響力は0に等しいけど、何かの信号かもしれないって、みんな躍起になって研究してるんだ。」


「へー」


化石に見惚れていると、突然後ろから轟音が鳴り響き、全員が振り向く。


「あぇ?」


「なんてこった…」


「何だあれ…⁉︎」


三人の視線の先では、扉を破壊して侵入してくる怪物がこちらを見ていた。


「蜘蛛にも見えるけど…大き過ぎだろ…」


「俺がしばらく時間を稼ぐ、その間に佐藤は牧人くんを連れて避難するんだ‼︎」


そう伝えると、飛伝さんはゆっくりと近づいてくる怪物に目にも止まらぬ速さで接近し、蹴りでフロアの外へ飛ばした後、そのまま追いかけて行った。


「逃げるよ‼︎」


「おい何なんだあれ⁈」


「説明は後!早く‼︎」


優樹に腕を引っ張られ、展示室の出口へと向かうが、今度は出口の扉から怪物が出てきて、立て続けに天井や床を突き破って出てくる。


「マジ…?」


俺たちを囲んだ怪物は、ゆっくりと距離を詰めてくるが、先にあちこち破壊された部屋が限界を迎え、崩壊する。


「崩れる…⁉︎」


「うわっ‼︎」


全員なす術もなく落下し、地面に叩きつけられたが、展示フロアは二階だったため、大した怪我も無く、瓦礫も覆いかぶさるように落ちてきた化石の肋骨に当たり、怪物だけが潰されていった。


「助かった…?」


「むしろ何で生きてるのか不思議だよ…」


とにかくこの場から離れようと、優樹の方を向くと、まだ息のあった怪物が、腕を振りかぶり、目の前の人間を引き裂かんとしていた。それを理解した時には、既に優樹を突き飛ばしていた。



「えっ?」


私の視界が鮮血で染まる。10年も一緒にいた友達の血で染まる、あの日私を助けてくれた親友の血で染まる。怪物は、腕に刺さった私の友達だったものを、興味が無くなったのか投げ捨てる。そして次の標的である私に迫ってくる、私は、目の前で起こった事を理解出来なくて、理解したくなくて、逃げる事さえ考えられなかった。


「ギィィィ…」


この物言わぬ怪物が、もう一度腕を振り上げ、私に振り下ろしてくる。しかし、その腕が私に届く事は無く、どこからか飛んできた奇妙な大剣によって、腕を粉々にされる。

私は、そこで意識が途切れてしまった。

この度は本作を見つけてくださり、ありがとうございます。

出来るだけ直感的に読めるように工夫していますが、読みやすさを意識したのは初めての取り組みなので、イマイチな部分も多い事と思います。不定期更新かつ長編の予定ですが、気力のある方は、最後まで応援してくださると、私が喜びます。

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