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メイドギルド。そして薬師ギルドはしご。



メイドギルドに入るとそこの受付にはウサギのお耳を生やしたお姉さんが座っていた。


「こんにちわ」

「こんにちわ、納品ですか?」

「納品って何があるんですか?」

「作ったお料理とか、ご依頼がある服、鞄などを承っています」

「えっと納品はないので、教えてもらいたいんですが」

「はい、何でしょう」

「軽い包丁とか調味料とか調薬で使えるものとかないでしょうか」


道具屋さん?市場?バカ言え。

そんなもの一人で発見して一人で入れるわけなかろう。こういうのは知ってる街の人に聞くのが一番なのだ。


「ああ、調味料なら脇にあるギルド併設のショップで買えますし、市場でも買えますよ。市場だと値段に幅がありますがその代わり色々なものが置いてあります。包丁もそちらに。オーダーメイドがよろしければ鍛冶屋さんを紹介します。調薬のものは薬師ギルドがあります。紹介状をお書きしますか?」

「紹介状お願いします。あと場所も教えてください」

「かしこまりましたご用意します」


紹介状を待つついでにショップを覗く。

そこには猫耳をしたスーツのお兄さんがニコニコと立っていた。


「いらっしゃいませ。ご入用のものがありますか?」

「調味料と包丁が欲しいのですが」

「包丁はどのようなやつがいいですか?」

「軽くて切れやすいものを」

「今どのような包丁をお使いですか?」

「持ってないです」


台の上に包丁を何個か置きながらお兄さんは質問してくれるのだが、持ってないと答えると店員さんはその全て片付けてドンっと大きな箱を取り出した。


「こちら料理初心者キットです!これの中に調理台、コンロ、まな板、フライパン、お鍋、包丁が入っています。それで使いにくかったら中級、上級とランクアップしたり、鍛冶屋さんやここで買い足しするといいとおもいますよ」

「おいくらですか」

「5000Gです」

「塩2ビンと胡椒2ビンつけて5040Gね!お願い!」


まずはこれでいいだろう。

塩胡椒は多分すぐなくなるだろうがそれは、料理納品することで稼いで市場かなんかで業務用かおう。

ハーブとか売ってるんだけど最初はウサギとか狼の肉調理しかしないだろうからこれも…またおいおい。

市場行きたいけど、自由にできるお金はない。

とりあえずこれでよかろう。


インベに放り込んでメイドギルドから外に出る。

マッピングしてもらった薬師ギルドに向かって歩くわけだが、通るはずのない冒険者ギルドが見えて逆走したことが発覚。

急いで引き返して薬師ギルドに到着した。

なんでこんなに時間がかかるのか。


「薬師ギルドへようこそ」

「こんにちわ。調薬のあれこれを聞きたいのですが」

「調薬のスキルをお持ちでしたら薬師ギルドに登録されることをオススメしますよ」


エルフー!エルフのお姉さんに紹介状を渡すとにっこり教えてくれた。


「メイドギルドに登録してますが掛け持ちできますか?」

「はい、できますよ」


登録することにした。

細々説明してくれたのだけど、とりあえず困ったら聞いてくれということなのでそこだけ覚えておくことにする。

わからなくなったら聞けばいいんだ!


「紹介状お持ちでしたので調薬の授業受けていきますか?3回無料になります」


「受けます!」


食い気味で返答して、即座にメール画面を立ち上げる。宛先はクリオネットさん。


『調薬の授業受けていくから遅くなる。調薬取った人、多分冒険者ギルドで紹介状もらったら初回無料だから受けに来させて。薬師ギルド』

『了解。ところで薬師ギルドどこ』

『その辺のNPCに聞いて』


あたしに道聞くなし。

すぐに返事が来たってことは、もう買い物終わったのかな。

ごめんよ。

先にレベ上げ行ってて、と思ったんだけどふと思った。


『他のギルドもあるんじゃないの?自分の伸ばしたい生産スキルのギルド探してみるように伝えてみたら?しばし自由時間』

『わかった』


これで皆に指示がいくだろう。

好きに楽しくやってくれ。


お姉さんの案内で部屋に通され、しばらくお待ちくださいと一人にされた。

すぐに他の子にメールをする。

宛先は鍛治を目指すって言ってた夫婦だったり、服飾をやりたいって言ってたヲタク系男子だったり、仮想空間ならビーズアクセを一から作れるかなって言ってた鬱系女子だったり、だ。

送ったメールの中身は『冒険者ギルドに紹介状書いてもらったら無料授業受けれるかもしれない!「どこに行ったら出来るか教えてくれ」ってきいてみろ!』というやつである。

すぐに了解って返ってきたのでやってくれると信じているが…いるが…大丈夫かなぁ。


「はい、お待たせしました」


入ってきたのはエルフのおじさまだった。

金色の髪を短くカットし、ガッシリしてるわけじゃないけど抱擁感がありそうで。


「調薬の本日の担当をしますガイナスです。よろしくお願いします」

「フィーアです。どうぞよろしくお願いします」


立ち上がって軽く一礼するとガイナスさんはよろしくと微笑んでくれた。


「座ってください。まずは薬草の採取の仕方を教えましょうね」


…ぇ、そこから。


「薬草は新芽は手を出さず下の葉を鋏で切り取ります」


あっ、やば、めっちゃ摘み取ってたんですけど!

ガイナスさんが薬草の植木を取り出して実践してくれる。鋏で綺麗に切り取った。


「そ、れは、ナイフとか包丁とかでも大丈夫ですか?」

「構いませんよ。鋏のほうが切り取りやすいだけなので。葉だけを使うのでこうやって残しておくとすぐに復活するんです」


そして葉の状態も良くなります。と教えてくれた。

鋏を貸してもらい試してみると


薬草 ランクC


Fぅぅぅ!むしり取ったFのどうしよう!


「この薬草はショウヤクソウ、と言います。他にも色々な薬草があるので確認してみるといいですよ」


ガイナスさんから植物図鑑もらった!やった!あとで読も。


「さあ、このショウヤクソウを傷薬にしましょう。フィーアさんは既に調薬をされたことがありますか?」

「いえ、初めてです」

「それはよかった。変な癖がついてないなら覚えやすいでしょう」


ん?どういうことだろう。


一瞬固まって首を捻るも関わらずガイナスさんは淡々と器具を出していく。

コンロと網と耐熱皿のサイズ違いが6枚に蓋が2枚。

すり鉢にすり棒…これは本格的なやつか。


「まずは蒸留水を作ります。水は不純物が混ざってることがありますからね。簡単にでいいですよ」


と言いながら、コンロに網をかけ、大きめの耐熱皿に水を張って中に空の耐熱皿を入れて蓋をしめて火をつける。

と徐に水色の物体を取り出して蓋の上に置いた。


「ガイナスさん、それなんですか?」

「これは水色スライムですよ。氷の性質を持ちます」


スライム…生きてるのかなと突いてみるがプルプルするくらいで動くことはなかった。

と言ったところでガイナスさんは別の耐熱皿に水を入れその中にショウヤクソウを入れた皿をいれて蓋をした。


「ショウヤクソウは蒸して温めたものをすり潰します。直接火にかけたらすぐに燃えますし」


ソウデスネ知ってます。


「水に直接溶かすと劣化版になります」


ほんほん。やり方は複数あるのかな。


「薬草の種類によって特性が違いますが、色々試してみてください。ただ、試すのはスキルレベルが5に上がってからです」

「どうしてですか?」

「初心者に変な癖がついてしまうとスキルがちゃんとした方向に戻そうとして変なスキルを覚えてしまうことがあるのです。

例えば本来調薬のスキルレベル2で覚えれるものは撹拌なんですが…最初のショウヤクソウで蒸し工程をせずにレベルを上げると蒸気を手から出せるようになります。そうすると撹拌は3で覚えることになります。

まだ3で覚えれればいいのですが、訳の分からないものを覚えることがあります。

それなので出来るだけ…初めて調薬スキルをとった方には講習を受けてもらいたいですね」


おいおい、受付のお姉さん全くそんな気配させてなかったぞ。なんて罠なの。


蓋を開けるとショウヤクソウはツヤツヤした緑に輝いていた。それをすり鉢に移しすり潰すと新緑の香りが仄かに香ってきた。

するとガイナスさんは蒸留水のほうを網からおろして蓋をあける。そこから小瓶が二つ出てきた。

え、小瓶。


「香りが出てきたら沸かした蒸留水を100cc注ぎます」


蒸留水をビーカーに移し、100cc量って注ぐとポン!と小さい爆発音がしてすり鉢の中に小さな瓶が二つ出た。


HPポーション ランクC


おおおお。なんつーゲーム要素。


「これ、どれだけ回復するかって見れないんですか?」

「鑑定スキルがあればわかるとおもいますよ」


鑑定取れるかな。と見てみるとSP1で取れるので取得。


HPポーション ランクC

HPを40回復する


おお。回復するんだ。

これでHPポーションがつくれるぞ!


「ガイナスさん、この器具ってどこで買えますか?」

「これは先ほどの受付の隣にショップがあるのでそこで初心者調薬セットを購入してください。5000Gで買えますよ」


なんか聞いたことあるゥそれ。

あれだよね、メイドギルドで聞いたねそれ。

40G足りないんですけど⁈


「では、これで1回目の講習は終わります。次はMPポーションの講習なので時間ができたらまたきてくださいね」


すかさず2回目といわず、3回目の毒消しポーションまで講習をうけたことは言うまでもなかっただろう。





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