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納品待ちですわ!

ドワーフ「ふぅむ……」



ウルガイト鉱石を恐る恐る手に取り、様々な方向から眺め、議論を交わすドワーフたち。



ドワーフA「これをティーカップに加工するとなると……」


ドワーフB「溶かすのはどうだ?型に流せば」


ドワーフC「いや、ウルガイトを完全に溶かすにはかなりの温度が要る。これは気長に叩くしか」


ドワーフD「ティーカップの薄さにまで叩くのか……。ハンマーがいくつ潰れることやら」




最強を誇る強度の鉱石のため、ティーカップのような繊細な加工をするためにはかなりの苦労が必要なようである。




「……あ。」




そうですわ、と言いローザは左手人差し指の長い爪をポキっと折った。




側近A「魔王さま!?」


「こちらお使いになって?」




その爪をドワーフたちに差し出す。




ドワーフ「い……よ、よろしいのですか!?」


「ええ!わたくしきちんとお風呂に入っておりますし、清潔でしてよ!ご安心なさって!」




そういうことではないのだが。

ドワーフAは恭しくそれを受け取った。




ドワーフAは魔王の爪を装備した!

ドワーフAは呪われてしまった!




「あらあらまあまあ!」


ドワーフA「うう……体が重い……」


「どうしましょう!わたくしの爪って呪いがかかってますの?」


側近A「レアアイテム過ぎて私も情報が無く……」


側近B「誰か!魔道士を呼べ!」










すったもんだの末、なんとか呪いを解き。




ドワーフA「魔王さま!これは素晴らしいですよ!」




魔王の爪を使用して鉱石を加工するドワーフAは感嘆の声をあげた。




ドワーフA「今までのハンマーとは比べ物にならない!」


ドワーフB「ちょ、ちょっとわしにも貸してくれ!」


ドワーフC「わしも!わしも!」




鍛冶工芸に精通しているドワーフとして、新たに出会った道具というのは格好の興味の種のようだ。




「よろしければあとでみなさんにひとつずつ差し上げますわよ」


ドワーフ「!?よろしいのですか!」


「ええ、どうせすぐ生えてきますし」




見れば先ほど折った爪も既に生え揃っている。




「ほんのお礼ですわ!」


ドワーフ「やったー!!」







そして、念願の茶器はドワーフたちに託され、あとは納品待ちとなった!

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