まずは素材からですわ!
「それで?お心当たりはありませんの?」
玉座に座り直し優雅に足を組むと、ローザは手下に問いかけた。
側近A「そうですね……やはり、強度の問題がありますゆえ」
素材から考える必要があります、と側近は言う。
「ふん。つまりは硬い素材が必要なわけですわね」
硬いもの。
ローザは無い頭で考えた。
「こちら、鉱石はとれますの?」
側近A「!鉱石でございますか……。確かに、地下深くにあるという鉱石でしたら魔王さまの握力に耐えられる可能性も……」
「それですわ!」
ローザは手を叩いた。
轟音が響き渡る。
「して。その鉱石がとれそうな場所はどちら?」
側近A「は。ここから数キロにひとつ心当たりが」
「ならば!」
そこにしましょう!
言うが早いかローザは立ち上がった。
手下を引き連れ、ローザは件の鉱山へと入る。
「さて!始めますわよ!」
言うが早いが素手で鉱山を掘り進めていくローザ。
岩盤がプリンのように掘られていく。
ザッザッザッ
「なんだか楽しいですわね!」
久しぶりに体を動かした気がする。
イキイキと掘り進めていくローザ。
ピコン。ピコン。ピコン
それと同時に何故か上がっていくローザのステータス。
岩盤を掘ることによって力の経験値が溜まるらしい。
側近A「魔王さま、そろそろよろしいのでは……」
「いいえ!こういうのは奥深くに行くほどいい鉱山がとれるんですの!わたくしマインクラフトで学びましたのよ!」
ザックザックと掘っていくローザ。
そして小一時間掘り進めた結果。
「これは……!」
なんだかレアそうな鉱石を見つけた。
鈍い光を放つそれを、ローザはそっと手で包み込むように持ち上げた。
「こっ……壊れませんわ!」
側近A「は。そちらは魔界にて最強の強度を誇るウルガイト鉱石でございます」
「これですわ!!」
念願の、触っても壊れない素材を手にしたローザは意気揚々と帰宅した。