お茶が飲みたいですわ!
「お茶が飲みたいですわ!」
今日も今日とて魔王ローザは不満げである。
側近A「魔王さまは口からの栄養素を必要としませんが……」
「栄養とかそういう話じゃありませんの!」
これでも元悪役令嬢。これまで10時と3時には必ず優雅なティータイムを過ごしていたのだ。
「嗜みってやつですわ!」
側近A「はあ……左様で……」
「ということで!早速用意なさって!?」
ローザは手下たちに指示を出し、城にある中でとにかくそれっぽい食器などを用意させた。
「うふ!なかなか様になってますわ!」
テーブルセッティングを見てローザは嬉しそうである。
「思ったよりも素敵ですわ!特にこのカップなんか……」
パンッ!
ローザが手に取った瞬間、カップは粉々に砕け散った。
「どうしてですの!?」
側近A「なにせ力のステータスが尋常じゃありませんので……」
「ではこちらなら!」
パンッ!
「そっと持てば……」
パンッ!
「優しく爪で……」
パンッ!
カップは全滅した!
「なんてことですの……」
破片を前にローザは呆然とした。
触れるものみな壊れゆく悲しきモンスターと化してしまった自分に絶望した。
「……諦めませんわ!」
実は諦めの悪いローザ。
拳を握って立ち上がった!
「壊れない食器が無いのなら、作ればいいのですわ!」
側近たちは頭を抱えた。