20『ブレイクショットの軌跡』逢坂冬馬
読書カロリーが高いものが必要なときもある!
去年の九月ぶりです、お久しぶりの本棚更新。
『ブレイクショットの軌跡』
逢坂冬馬
大分話題になったので読んだことのある方も多いかな。
何せ『同志少女よ、敵を撃て』の作者さんの新作ですし。
ふとんは気になってはいたものの手を出さずにいたら知人から熱烈に薦められ「そんな言うなら」と買ってみたところ、本棚入り確定の面白さに一気読みでした。信じられないくらい分厚かったのに!
ただ、書籍としてのカロリーが凄かったので六時間ほど読破までにかかりました。
それでは、いつも通りネタバレ無しでおすすめポイントを紹介していきます!
【リアリティの重みある描写】
やっぱりこの作者さんと言ったらこれですよねぇ~!
今回の舞台は現代社会です。街の板金工場から金融関係の大企業、情報商材セミナーの裏方、遠い国の紛争地帯等々様々な「そこに所属していないとリアリティ再現が難しそう」なところがポンポン飛び出してくるんですが、本当に「もしかしてそこでお過ごしになった経験が……?」と伺ってみたくなるような現実味があり、作品の重厚感をマシマシにしておりました。
やはり前作の『同志少女よ、敵を撃て』もそうでしたが、凄まじい勉強量は勿論、獲得した知識を如何に物語に落とし込むか、が優れすぎている作者さんだと思います。お陰で「これは本当にあったことを書き起こしたのでないかしら」と思わされるのです。最高。
【圧倒的読みやすさ】
そしてこれ!
作中、投資の話などふとんねこにはちんぷんかんぷんな話題の続く章があるのですが、なんと、困ることなくきっちり読むことが出来ました! 凄まじい力量だと思います。
本の厚みが証明している通り、信じられないくらいの情報量がどっしりと一冊に収められ、一つの大きな物語を形成しているわけですが、その情報の解読に苦労した試しがありません。するする、っと読めました。
あと個人的な驚きは、沢山の登場人物がいるのに読み終えた後もその全員の名前がしっかり頭に入っていることの凄さです。
【タイトル回収の見事さ】
本作品のタイトルは『ブレイクショットの軌跡』。
あまりしっかり語るとネタバレになってしまうので伏せますが、このタイトル、複数の意味を重ね合わせて作品全体の一本の軸になっております。最後まで読んでその見事さに感動しました。
【完璧としか言いようのない結末】
本作品は、前述の通り現代社会における様々な場所が舞台となり、そこに生きる人々が物語を動かしていくのですが、一見ばらばらで何の関係もないように思えるその全てが、エピローグまできっちりと繋がっているのです。
ちょっとでも加減を間違えば「こんなこと有り得るわけないだろ」と言われてしまいそうな、本当に見事としか言いようのないバランス感覚で、結末の納得感や満足感もひとしお。ほんと、うっかりネタバレしたくないので少しでも興味が湧いたら早く読んで欲しいと思います。
【プロローグ、本編、エピローグの素晴らしい繋がり方】
上記のオススメポイントと少し被るかな……
本当に、ネタバレだけは避けなければならない系統の傑作なので、この項目は一言だけにしよう……
プロローグの内容を、絶対に忘れずにエピローグに辿り着いていただきたいです!!
以上でしょうか。
繰り返しになりますがネタバレしたくないのでぜひともこの感動はご自身で確かめていただきたい、そんな傑作であります。ふとんにオススメしてくれた知人もただ「本当に面白いから」とだけ言って薦めてくれましたので、そのことに読み終えてからめっちゃくちゃ感謝しました。
それでは、今回の本棚紹介はここまで。
また、そのうち推し作品の紹介に来ます。




