18『残穢』小野不由美
前回の更新から一年以上経過。
なろうのリニューアルについていけていませんが生きております。
というわけで本日はこれ。
『残穢』
小野不由美
ついに読みました、マジで覚悟が必要だった……
怖かったですよ、ぞわぞわぞわって感じのホラー。
読んだ人が口々に「家に置いておきたくない」って言うのが頷ける内容でした。
が、幸いなことにふとんねこのホラー耐性が高まっていたのか何とか大丈夫でした!
夜も眠れたし、真っ暗な部屋でも大丈夫だった!!
あとは本日お風呂に無事入れるか、ですね……昨晩は、念には念を入れてお風呂を終えてからこれを読んだので。暗がりで目を閉じられるなら大丈夫だと信じていますが……
さて、と。
それでは今までの本棚エッセイの書き方を思い出しつつ書いて参りますね~。
【流石のホラーの表現】
小野不由美先生のホラーを読んだことのある人なら分かると思うんですが、じっとりと背後に迫るようなジャパニーズホラーの表現力がバリ高で、時折ざわって鳥肌が立つような真に迫る怖さって言うのがありますよね。
ふとんねこの小野不由美ホラー初体験は『営繕かるかや怪異譚』でした。『蟲師』の作者さんがカバーイラストを描いておられて気になって買って、そりゃあもう後悔した思い出。それまで小野不由美先生と言えばふとんの中では『十二国記』だったので「こんな怖いことある?!」って半泣きに。確かに思い返してみれば『十二国記』もぞっとするとこ時々ありましたね……と。
『営繕かるかや怪異譚』は『残穢』と違って「決定的なものは何も出てこない」んですよね。それなのに文字上に書かれ脳内に描き出される室内の薄暗がりに、目を離した背後に、何かがいるのが凄まじい存在感で伝わってくるのです。じっとりと、重たい湿度とでも言いましょうか……ああいる、と何も見ていないのに思わされるのです。文字だけでこれか、とその表現力に感動しました。
その後は『鬼談百景』ですね。これをソファーで寝っ転がって読んでいたら背後から猫が手を伸ばしてきて足を突かれ「ギョワッッッ!!!!」って叫んだのはいい思い出。クソ怖かった。
『残穢』の解説で、『鬼談百景』が九十九話で『残穢』を足して百物語、っていうのを読んで泣くかと思いました。九十九の物語を読んだのが何年も前なので百物語不成立でお願いします(泣)
【ドキュメンタリー・ホラー】
この作品の恐ろしいところですよね。
あくまでも「ドキュメンタリー風」とは言えるのですが、どう考えても語り部である「私」は小野不由美先生自身だし、実在のホラー作家の名前も出てくるし実在の地名も出てくるし……どこまでが本当?と不安になって疑心暗鬼になる恐怖もまたこの作品のホラーポイント。
なのでふとんは作中に出てきた事件は一生調べまいと決めました。これで本当に出てきちゃったら「本当」になってしまうじゃないか……というチキンプレイ。
ドキュメンタリー風、ということで話を進めますが、本当に流石としか言いようがないですよね、ドキュメンタリーとして完成されすぎていて、点と点の繋がった瞬間の「ぞわっ」が凄まじい。
確実に「あった」と思わせにくる筆力に感嘆しつつ、もっとこう、手心と言うか……という気持ちになります。本当に容赦なく怖い。
【解説が追い打ちを掛けてくる】
そしてそう、解説。
何とか読み終えて一息つき、どきどきしつつも「大丈夫かも」ってなったところへ容赦なく追い打ちをかけてきます。だけど「なるほどな」と頷くことばかりで流石解説……となりました。
この解説まで含めて『残穢』だな、と思いながら閉じた本を部屋には持ち込まずリビングに置き去りにしましたとさ……
と、まあ総評「怖かった(震え)」ですね。
これを買う直前にホラーが読みたくて同作者の『くらのかみ』を買ったらまさかの因習村ミステリーだったという拍子抜けを食らっており、ホラー欲が満たされず遂に『残穢』に手を出した、という経緯がございます。欲満たされすぎてもうしばらくホラーはいいです。
なるほど家に置いておきたくない、と思います。
その理由は読めば確実に分かる。ふとんは「家に置いておきたくない本である」こと以外ネタバレを踏まずに読みましたが、本当にそうだなとしか言いようがない。
幸いなことにジャパニーズホラーにいつの間にか耐性ができていたようで、まあ何とか家に置いていても大丈夫そう、と今は思っていますが次回本の整理をするときには確実に手放そうという気持ちがあります!! ごめんなさい小野不由美先生……
なので、ホラーにそれなりの耐性があって、今無性にジャパニーズホラーが読みたくて、けどヤバい本だと噂だから手を出せていないという方には大変オススメです!!
それでは本日の本棚はこの辺りで。
また「書こう」と思ったものがあったら書きに来ます!