表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふとんの本棚  作者: ふとんねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/24

12『アンデッドガール・マーダーファルス』青崎有吾


 燃え尽きてます。

 そんな中ご紹介するのはこちら。


 『アンデッドガール・マーダーファルス』

 青崎有吾


 二巻以降全然三巻が出なくて「よもや打ち切りか……」と絶望していたところ去年三巻をゲットした個人的奇跡の作品。信じていれば新刊は出るのだ……そうでないのも味わっているけれど。

 ダークファンタジー×本格推理のミステリー作品です。意外な組み合わせですよね。ふとんも一巻を手にした瞬間は「ファンタジーに推理モノ……?」と首を傾げたもの。

 しかし! 本作は本当に素晴らしかったです。ふとんを何年も待機させた本作の魅力、いつものように語って参りましょう!



【斬新な設定!】


 本作の舞台は十九世紀末のヨーロッパ。人類の急激な発展の影に、衰退しているものの未だ異形たちが実在する世界観です。一巻のメインとなる異形はファンタジー作品の常連・吸血鬼に人造人間。二巻はそれに関わる人間たち、そして三巻では満を持しての人狼登場。


 主人公たちは「怪物専門」の探偵でその異名を“鳥籠使い”――輪堂鴉夜に助手の真打津軽、そしてメイドの馳井静句の三人組。鴉夜と津軽のやり取りは軽妙でコミカル。津軽の小粋な江戸っ子感が癖になる台詞回しが文章のリズムを軽やかにしていて、会話劇が非常に楽しく読めます。特に津軽の話は落語的なものもあって、そういうものが好きなふとんに激刺さりでした。


 そして、やはり注目したいのは「ミステリー」部分ですよね。

 所謂「特殊設定ミステリー」な本作。サイエンスファンタジーならともかく、ダークファンタジーで本当にミステリーできるの? と思われているそこの貴方。ご安心ください。超ミステリーです。とてもロジカル。主人公たちと一緒に推理が楽しめます!!

 ファンタジーって……と躊躇してしまうミステリー好きさんにこそ読んでほしいと思う逸品です。


 ファンタジーだからこそできるミステリーと言うものがあったのだなと、書き手側であるふとんは目から鱗でした。いつも眺めているファンタジー種族のメモなんかを見て「これも使い方次第でミステリー作れるんだな」なんて思います。ファンタジー好きは推理がはかどるかも。本当にワクワクです!



【登場人物の魅力】


 前述の通り、三人組が主人公ですが、軽妙な掛け合いをする彼らは勿論、その他のキャラクターたちも非常にキャラが立っていて良きです。彼らの会話だけ読んでいても楽しい、そんな具合。噺家的なキャラに弱いんだよふとんは……


 また、古典ミステリー好きなら「にやり」とするあんな人やこんな人のお名前が出てきます。例えば、主人公たちが追っている謎の人物は、とある男に滝から落とされた経験をお持ちの頭文字Mの教授。聞いたことあるでしょう。

 他にも色々そういう人が出てくるのです。しかもそういう有名人の使い方も非常に上手い。あの人ならこれくらいできるよね、とか、こういうことしそうだよね、とか思ってニコニコしてしまいます。


 キャラクターの鮮やかさ、とても大切なポイントです。



【戦闘シーンも最高】


 人外が跋扈する世界の上、主人公たちは「怪物専門」の探偵。毎度しっかり戦闘シーンがあります。


 探偵の鴉夜は全然動きませんが、助手の津軽はそれはもう凄い肉弾戦を見せてくれますよ。力こそパワー的なやつかと思わせておいて、器用に相手の予想を裏切ることをしたりと、ここにも小粋な雰囲気が。


 そして戦闘シーンでふとんが特に好きなのはメイドの静句。彼女はスペンサー騎兵銃に銃身と同じ長さの日本刀をくっ付けた銃剣のような武器『絶景(タチカゲ)』を使って、トリッキーな動きで敵を翻弄します。格好いいのよ! 戦いの中で翻る、クラシカルなメイド服のスカート。ロマンあふれてるのよ!


 そんな戦闘シーンも見ものです。



 以上です。


 ダークファンタジー×本格推理。そんな意外な組み合わせから生まれる最高のミステリー。軽妙な会話劇を繰り広げる、魅力的な登場人物たちをお楽しみあれ。

 人外だってこの世の理の中にいるわけで、なるほど論理も通じるか、と思わせられました。

 ファンタジー好き、ミステリー好きさんもどちらも是非読んでほしい。一気読み必至の名作です。



 それでは、今回はここまで!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ