階段
その階段に向けて私はずっと歩いていました。
下を見渡すと真っ暗で何も見えません。
降りても、降りても、降りても
ずっと鳴き声がこだまするのです。
「お母さん、、お父さん、、どこ??」
少女の声が聞こえてきました。可哀想にきっと迷子になってしまったんでしょう。お母さんはもう見つかりません。
私は友達を探しています。
この階段を降りればきっと友達に会えるから。
そう信じています。
「助けて!!助けて、、、熱い!!!」
火の中もがき苦しむ老人の声が聞こえます。
でも私にはどうにもできません。
私はただ階段を降り続けるのです。
だって
だって
私は死んでるんだから。