ガチ鬼ごっこしてみた
四話です。
よろしくお願いします。
動画が再生される。
「どーもリライフのクリエイトです」
「フューチャーです」
「コミュ!」
「ラン」
「ジーニアスだ」
今日もリライフの動画が投稿された。
今回はどこかの公園のようだ。
「今日は近所の公園にきています。今日はここでガチで鬼ごっこしていきたいと思います」
「「「「イエーイ!」」」」
鬼ごっこか。
小学生のころ以外本気で鬼ごっこなんかやった記憶がないな。
あの頃は楽しかった。
彼らがやるとあの頃の楽しさをより思い出させてくれそうだ
「しかし!ただ鬼ごっこしてもつまらないのでルールがあります。逃げる人は三十秒以上地面に立っていてはいけません!一瞬でも足が地面から離れればオーケーです。鬼はいくらでも地面にいてオーケー。捕まったら鬼は交代、十秒数えてから追い始めです。何か質問はありますか?」
「はい!手をつくのはどうなりますか」
「いい質問です。手だけついた場合のみ三十秒はリセットです。ほかに質問は?」
「「「「ありません」」」」
「それじゃあ鬼決めじゃんけんします」
それからじゃんけんをしてクリエが鬼に決まった。
しかし、逃げる人は三十秒以上足を地面につけてはいけないのか。
結構厳しくないか?
いやこの公園、意外と遊具が多い。
遊具の上で逃げ続ければ勝てるか?
「それじゃあ十秒後開始でーす」
「「「「逃げろー」」」」
クリエが数を数え始めるとほかのメンバーが散り散りになる。
どうやら全員がカメラを持っているらしく、それぞれの目線の映像が表示される。
これは面白い。
「スタート!まずは・・・・フューちゃん発見!追いかけます!」
「見つかった!あいつ足早いからやばいわね」
フューちゃんがいたのは迷路の壁の上。
高いところにいたせいですぐに見つかったようだ。
しかし見つかったフューちゃんは迷路の壁の上をぴょんぴょんはねて逃げていく。
そのおかげでクリエはなかなか攻め時を見つけられずにいる。
というかよく落ちないな。
目線カメラの映像がかなりの迫力だ。
「ここまでおいでー」
「くっフューちゃんはさすがの逃げ足だな。ターゲット変えるか。行くぞコミュ!」
「えっ僕!ヤバイ逃げなきゃ!」
軽快に逃げるフューちゃんにあきらめてターゲットを変えたクリエ。
次の相手はコミュだ。
コミュは木に登って隠れていた。
あれでは逃げ場がない、地面に降りるしかないだろう。
「よっと。降りたら全力ダッシュ!」
「待てコラァ!」
驚くことにコミュは結構な高さの木から飛び降りた。
ハラハラする目線映像だった。
しかし地面に降りてしまったコミュは三十秒以内に地面から離れなくてはいけなくなった。
「あらよっと、ほい」
驚くことにコミュは側転やバク転と走りを混ぜながらくるくると逃げていく。
えぇ、そんなことできるのかコミュは。
確かにあの逃げ方なら地面に足をつけてる時間は少ない。
もしかしてこれを想定したルール設定なのかもしれない。
ということはリライフのメンバー全員こういうことができるのか?
「あっラン発見!今度こそ捕まえるぞ!」
「おっとそう簡単につかまるかな?」
公園の隅のほうのベンチの上にいたランはクリエを確認すると前宙でベンチから飛び降りた。
やっぱりランも身体能力が高いのか。
木の間を飛んで通ったり、壁を蹴ってバク宙したりしながら逃げていくラン。
どうやらランは障害物の使い方がうまいらしい。
あっという間にクリエから逃げきってしまった。
「チクショー後はジーさんだけどどこにいるんだ。あいつ隠れるの滅茶苦茶うまいからなぁ。見つけるだけでも大変だぞ」
そのまま歩き回るがなかなかジーさんを見つけられないクリエ。
遂にあきらめたのか偶然見つけたフューちゃんにゆっくり迫っていく。
「タッチ」
「えっ?あっうそぉ!やられたわね、まさか騒がしいあんたが静かに来るとは」
「はっはっは、作戦勝ちだね!じゃあ逃げるから十秒数えて」
開始からしばらくたってようやく交代した鬼。
それからすぐにコミュが捕まり、ランが捕まり終了となった。
結局ジーさんはカメラに映りこむことすらなく終わった。
「結局、ジーさんはどこにいたわけ?」
「でかい遊具があるだろ」
「あるわね」
「あの床の裏側に張り付いてた」
「うわっそれは見つけるの無理だよ!」
「だろうな、何度かみんな下を通ったぞ」
「これはジーさんの作戦勝ちだな」
なんとジーさんは忍者みたいな隠れ方をしていたらしい。
それはだれも気づかないだろう、奇天烈すぎる。
しかしこの鬼ごっこ、かなり見ごたえがあった。
目線のカメラの映像もアクロバットな動きのおかげでかなり迫力があった。
これはまた見たいものだ。
「それでは優勝はジーさんということで終わります。ありがとうございましたー」
「「「「また見てねー」」」」
動画が終了した。
コメント
:全然普通の鬼ごっこじゃない件について
:みんな身体能力が高すぎる
:こんだけ動ければそりゃ鬼ごっこも楽しい
:久しぶりに鬼ごっこしたくなった
:やっぱこいつら楽しそうだよなー
:これからに期待
:次回も楽しみにしてます
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