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【完結御礼】新説信長公記! ― シスコンお兄ちゃんが大好きなんだけど、モテすぎだしハラスメントな信長さまだから、織田家滅亡のお手伝いをするね! ―  作者: 香坂くら
第七章 織田信忠の野望(vs浅井)

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92話 織田信忠の野望⑪


 自室からハンディカラオケを持ち出したお市。

 本丸の小窓から京極丸に群がる織田軍にむかって叫んだ。


「織田信忠! イカスルメル人のケガ人がいるの!」


 息を吸い、さらに大音量を張り上げ。


「救急隊員が来るまで休戦させて!」


 するとすかさず、当人自ら返事が返って来た。


「戦国人のボクにはイカスルメル人だろうが、『なに人』だろうがカンケーない」

「なっ、バカなの?」

「味方以外は敵。それだけだ。そっちが大人しく投降すれば、いいだけだろ」


 彼の言葉尻を待たずに、浅井市、およびに浅井長政が出て来た。

 しっかりと手をつなぎながら。


「……本当に出てきやがった」


 微かな驚きを漏らした信忠少年。

 言い知れない黒い感情を沸き上がらせ、「捕まえろ」と傍の木下秀吉に命じた。

 そして拘束したふたりを己が眼前に引き立てた。


「わたしはどうなってもいい。早く半兵衛ちゃんを搬送して」


「竹中半兵衛なら秀吉が抜かりなく応急処置しているさ」

「そう」

「それより、ボクの出した条件、まだ不足してるんだけど?」


「分かってる。久政さんはわたしが説得する。でも万福丸はそのまま見逃して」

「忘れてるのかもだけどさ、オマエらは敗者なんだよ? お願いできる立場?」

「……フン」

「もっかい言うよ? ボクは戦国人。――パパ上の信長とは違ってね」


 子供とは思えない不敵な笑みを浮かべた信忠のもとに、伝令が入った。


「小丸砦の浅井久政が説得に応じ、開城しました」

「オヤジが?」


 と長政。

 彼には意外だった。あの親父が素直に投降するわけがないと思ったのだ。


「カンタンなことさ。『万福丸を助命してやる』って言ったんだ」


 家督を継がせて浅井家を存続させてやる。


 『条件は長政の首だ』


 そう言うと、

 『代わりに自分の首を差し出す』


 そう答えたらしい。


「バカだよ。そんなの反故にするに決まってるじゃないか」


「……なるほど、そういうことか」


 ギリッと歯を鳴らし、


「なら理解できた。親父はテメエの肚が『分かってて』降参したんだな」

「?」

「テメエの汚い心を嘲笑うためにな」

「な、なんだと?!」


 引き立てられてきたのは浅井久政……ではなく、木下秀吉と石田佐吉だった。

 固めているのは竹中半兵衛と浅井久政。武装した味方の兵らと肩を並べている。


「……どういうこと? 半兵衛、謀ったのか?」

「わたしは最初からお市さまの味方です」

「なんだと?」

「市さまを助け出すことだけを考えて、今日まで準備してきました」


 半兵衛に縄を解かれたお市は彼女に抱きついた。

 すぐに離れてビンタするマネをした。

 そして再び、きつくしがみついた。


「このアホチン、心配させないでよ!」

「済みません。血糊の量が多すぎました。加減がよく分かんなくて」



 上空に宇宙船があらわれた。

 どよめきと混乱が生じた。戦闘どころではなくなった。

 彼ら戦国人の目にも、この未確認飛行物体が見えているのだ。


 これはかねてより半兵衛が手配したものである。

 わざと目立つように計らったのだが、思惑通りの結果になった。


「サルッ! この失態、どーすんだ!」

「は」

「は、じゃない。まさか、キサマもグルだったんじゃないだろうな」


「――グルでござるが、なにか?」

「なっ!?」


 信忠少年は怒りよりも青ざめた。

 瞬時に悟ったのだ。

 自分の周囲に味方がいないことを。


「若は無能で良いのでござる」

「なにっ」

「若に任せておいては信長さまの二の舞。織田家十万人を路頭に迷わせられませぬ」

「お、おまえ」

「拙者が織田家を天下第一党にのし上げまする」


 半兵衛に縄を解かせた秀吉は、石田佐吉に兵をまとめるよう指示した。

 

「若。お許しください。織田家はもうありません」


 佐吉が低頭する。

 少年が渡された書状。そこには――。


 『織田家が有する一切の権限を、木下秀吉改め豊臣(とよとみ)秀吉(ひでよし)に譲る』


「ハパ上が書いた字だ……。なんで……」


「売ったんですよ。信長さまは……。織田家を」


「う、売った? ど、どうして……」


 半兵衛がスマホを差し出す。『通話中』になっている。

 相手は松永弾正だった。


『ここ数年、名だたる名刀や茶器を集めてたでしょ? あなたのパパ』

「はぁ?」

『そーゆーのがお金になるって教えたの、わたしなんだから』


 ――ちょっと挙げただけでも以下の通り。


 名刀

 ・義元左文字

 ・圧切長谷部

 ・鉋切長光

 ・岡田切

 ・不動国行

 ・実休光忠

 ・不動行光


 茶器

 ・松島茶壺

 ・初花肩衝

 ・富士茄子の茶入れ

 ・かぶらなしの花入れ

 ・小松島の茶壷

 ・柑子の花入れ

 ・白天目茶碗

 ・三日月の葉茶壷

 ・松花茶壺


『他には朝倉から本能寺文琳を譲り受け。……弾正(わたし)からは、九十九髪茄子』

「……な、そんなに」

『これら、みーんな転売目的』


「だ、だからなんで、そんな! 理由は何なんだよっ」


 少年、カオを真っ赤にして怒鳴る。


『せっかちな男の子は嫌われるわよ? もう少ししゃべらせなさい』

「ちっ」


『世の中の【お金の流れ】をいち早くつかんだのは、秀吉(おサル)くんと石田佐吉くん』


 安藤社長らを抱き込み、ウーチューブも使い巨財を得た秀吉は、ある提案をする。


『タイムマシンよ』


「タイム、マシン?」

『過去に行くための機械よ』



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