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「ん?ココは」
「お、気がついたか」
「あなたは?」
「俺は高城って言うんだ君は?」
「!」
急に只でさえ青白い顔が青くなっていく。
「名前持ちの方でしたか、すみません私の様なモノが」
急に寝ている体を起こして物凄い勢いで謝り出した。
「いや、そんなに偉い人じゃないから傷に触るから横になって」
「いえ、私の様なものが」
「えっと、ごめん君には名前がないの?」
「えっと、私はMI-2……貴方様の様に名前など無いモノでございます」
「名前がない?」
「貴方様は優秀な方なので名前をお持ちなのでしょ?」
「いや、そういうわけでは……」
俺は今までの経緯を離した。
「……というわけなんだが、信じてもらえないかもしれないが」
「……そうですね、確かに信じがたいことですが理論上ではありえなくないかもしれません」
「そうなの?」
「そういった事例も幾つかありますし、パラレルワールドなどの存在も理論上は否定できませんし」
「君は賢いね」
「そ、そんなことは無いです!私なんて名前無しですし」
「その名前無しってのは何なの?」
「この世界では遺伝子の優劣で人としてのランクが決まるんです、有能な遺伝子を持つ存在が名前持ちとなりそれ以外のものは名前無しになります」
「遺伝子の優劣?」
「ええ、生まれた時から私たちは管理されてその優劣により管理されます。その最初の篩いが生まれた時の遺伝子です」
「それは酷いね」
「そうですね……でも、生物学的には有能な遺伝子を後世に伝えるというのは間違ってはいませんから」
「そうだけども……」
「この世界はそういう世界なんです」
「両親は納得してるの?」
「両親は居ません、私失敗作ですからMIはMISSの頭文字……私はそういうモノ達が集められた施設で育ちましたから」
「なんだそれ!」
「怒らないで下さい、ここはあなたの世界とは違うんです……それに今は下層ランクでも私も数値を上げて行けばランクが上がって行くんです」
「数値?」
「ええ、運動、勉強、様々な仕事のスキルなどを手に入れることで自分の管理数値が上がるんです」
「管理数値?」
「ええ、先ほどからお話した通り私たちは生まれた時から管理されています、その行動や成長自体もデータの対象となりそれに基づく自身の評価値があるんです」
「つまり、体を鍛えたり知識を増やしたりするとそれが上がるということなのかな?」
「ええ、そうですココに来たのも体力面の強化と採取により雑学と生産性を上げる為に来たのですが足を踏み外してしまって」
「ふむ」




