青天の霹靂
「婆ちゃんまた来るからね」
それが祖母に掛けた最後言葉だった……
早くに両親を亡くした俺は祖母に育てたられた、
優しい祖母でとても頼りになる人だった
困ったことがあるといろいろな知恵で困難を乗り越える。
俺はそんな祖母が大好きだった。
「ソエ子さんは自分の役割を終えてほっとして逝ったと思うわ」
「そうですね……」
「叔母ちゃんも何かあれば力になるから」
「ありがとうございます」
この人の言っていることは嘘だ……
この人は真っ先に両親が亡くなった時に施設に入れようとしたのを今でも覚えている、
きっと祖母が俺に生前贈与した遺産が目当てなんだろう……
「それで今後のことなんだけど」
「すみません、ちょっといろいろ考えたいので」
「そ、そうね……また改めて機会を設けましょう」
そう言って微妙な表情のまま出て行った。
「婆ちゃんこれからどうしようか……」
大学3年の就職活動の真っただ中、当初は祖母と一緒に暮らし今度は俺が支えてやろうと地元企業に就職しようと頑張っていたが、その目標が消えてしまった。
「一緒に婆ちゃんの好きな景色見に行こうか……」
祖母とよく散歩した道をトボトボと歩き出す、祖母が好きだったあの小高い丘の上の神社から見える夕日を見に……
「婆ちゃんあの川で昔笹船の作り方教えてくれたよね」
「お金は無かったし、友達からは変わり者だとか正直言われたけど俺楽しかったよ」
傍から見たら可笑しな人に見えるかもしれないが、
祖母と話しながら散歩をしていた。
「婆ちゃん見てよ……変わらないよね、いつもの街並みに、いつもの空……」
ビューンと風が通り過ぎて行く。
「急に冷たい風が吹いて来たね、こういう時は雨が降るんだっけ……でも、まだ晴れてるから夕日まで持つよね」
そして、神社についた。
「ほら、婆ちゃんの好きな夕日だよ……いつもと同じ綺麗な夕日だ……いつもと変わらない……」
「ねぇ、婆ちゃん……教えてよ、何で変わってほしくないのに世界は変わるの!そして僕を置いて行くの……一人にするの」
ポツ
ポツ
「晴れてるのに……雨、キツネの嫁入りを見るのは吉兆だって言ってたね……この世界はどこまでも俺を……」
その時、俺の目の前に突然光と伴に轟音が!
ズドン!!
直撃した!?
俺は死ぬのか……
俺の人生はどうなってるんだ……
まあ、この世に未練はないが……
俺が死んだら遺産は全てあの嫌な叔母さんに行くのだけは耐えられないな……
……遺産を含めた転異
…
…
…
受理されました。
書くペースは遅いですが><
宜しくお願いします