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41 抱えた物 下

「……それ以外に抱えた物、か」


「お前、王都で俺と再会したばっかの時、この依頼を受けた理由は村の為みてえな事言ってたよな。で、他の理由があるかどうかは分からねえって。結果的に分から無いんじゃなくて、お前は抱えている事を隠していただけだった……お前、まだ何か隠してんじゃねえのか?」


「……」


「今のお前を無理矢理動かしている様な何かが。あるんだろ多分」


 流石グレンだと改めて思う。

 ほんと、グレンの洞察力は本当に凄い。

 だけど……今度ばかりは嘘ではなくこうとしか言えない。


「まあ……確かに、なんかあるな、うん。あるんだけどよ……まあ今度は本当に、分かんねえんだ」


 そうだ、俺にも本当に理解ができない。


「あの時ギルドでお前に言った分からないってのは、マジで半分本当なんだ。確かに何かあるのは間違いないけど、自分でもそれをよく理解できないんだ。訳分かんないだろうけど、そういう事なんだよ」


 グレンはそんな事を言う俺の話を聞いた後、少し考える様に目を瞑って一拍空けてから静かに言う。


「……どうやらそれはマジっぽいな」


 グレンはどこか納得したように言う。


「……まあ自分で理解出来てねえ事にこれ以上何か言ってもあれか。言う時間もねえし……まあ、でもな、クルージ。もしそれが分かって、それが頭抱え込む様な事なら絶対に相談しろよ。俺でもいいしアリサやリーナでもいい。一人で抱え込むな」


「……ああ」


 と、そんなやり取りをしていた時だった。


「お待たせしました! いつでも行けます!」


「私もいつでも行けるっすよ!」


 ナイフを取りに行っていたアリサと、何故か付き添いに行っていたリーナが戻って来た。


「よし……じゃあクルージもいつでも出れるな」


「おう!」


「じゃあとりあえず予定通り緊急時の集合場所に向かう。そっから先の動きは魔獣の出方次第。大体はさっき説明あった何パターンかのどれかになると思う。一応聞くけど覚えてるか?」


「はい、覚えてるっすよ」


「覚えてます」


「そこは問題ねえ」


 先程の打ち合わせで、魔獣の出現ポイントや数に応じての人員の割り振りパターンが何通りか説明されていた。魔獣に侵入される恐れが高い出入り口は二カ所しかないので大体はパターンが組めるという訳だ。もちろんイレギュラーもあるの即興でなんとかしなければならないケースもあるのだけれど。

 まあとりあえず俺達パーティー3人はどんな形であれ同じ配置だ。グレンがどうかはその時次第。

 ……そりゃグレンは村の主戦力なのだから。協力者である冒険者と固まる方がおかしいのかもしれない。


「じゃあ行くぞお前ら!」


 そして俺達はグレン先導の元、工房から跳び出した。

リハビリ(作者の)

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