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27 勝利の後

「ちょ、先輩さっきのアレなんすか!? こう、マジ凄かったっすよ! ギュイーンって!」


 皆の元に戻ると開口一番にリーナはにそう言われた。


「あれが俺とグレンが編み出した必殺技だ」


「いやーえらくエキセントリックでヤベー技でマジパネエっすね」


「それ誉めてんの?」


 それだけ聞くとエキセントリックでヤベー奴にしか聞こえないんだけど。

 ……いや、まあ冷静に考えるとエキセントリックでヤベー技なんだけど。アレ考えた俺達どうかしてたよね? うん。


「リーナさんは誉めてると思いますよ」


 そしてアリサがリーナのフォローを入れていた。

 そしてアリサは言う。


「でもほんと凄かったですね、二人とも。息ぴったりじゃないとできないですよあんなの」


 と、言った所でアリサがちょっと耳貸せと言わんばかりにおれを手招きする。

 そして耳を貸すと、俺にしか聞こえないような小さな声でアリサが言う。


「いや、確かに凄い技ですけど……本当にこの技使わないとどうにもならないって時以外は使わないでくださいね。ボク正直着地の時、遠目ながらあ、これヤバイ奴だって思ったんで」


「お、おう……」


 いや、うん。戦闘のプロには筒抜だった。

 うん、うまくいくのは分かったけどそんな頻発しねえよ。絶対死ぬから俺。


「ん? なーに話てんすか二人でコソコソと」


「あ、いや、なんでもないですよ。なんでも」


「ああ、そうだな。なんでもねえよ」


 とりあえずあの危うさに気付いてないなら、気付かないままそっとしといてください。

 で、この必殺技の相棒はと言うと。

 ……なんかまあ、すげえ安心したような表情を浮かべていた。

 そしてそんな表情を浮かべながらグレンは言う。


「まあとにかく快勝って事で。お前らがそれでよけりゃ出発しよう」


「ん? ああいいぜ。ここに居てもしょうがねえし」


「そうですね。先に進みますか」


「そうっすね。じゃあ馬車に乗り込みますか」


「おう。じゃあ乗ってくれ」


 そうやってグレンは俺達を促して馬車に乗せる。

 そして最後に俺が乗ろうとした時、グレンに呼び止められた。


「クルージ」


「なんだよ」


 するとグレンはどこか青ざめた様な表情で言う。


「実は打ち出す直前で、今お前の幸運スキルまともに機能してねえ事思い出してさ……あ、やべえこれクルージ殺したかもしれねえって思った」


「……リーナ以外みんな思ってんのな」


 俺も含めて。


「……とりあえず、あんまり使わないようにしような」


「……おう」


 いや、マジで焦ったんだろうなーグレンも。

 だけどもグレンはその後笑って俺に言う。


「ま、でもナイスファイト、クルージ」


「おう」


 そして俺達は拳を打ち付けた。

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