表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただキミを幸せにする為の物語 -SSランクの幸運スキルを持つ俺は、パーティーを追放されたのでSSランクの不幸少女と最強のパーティーを組みます-  作者: 山外大河
二章 ごく当たり前の日常を掴む為に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/228

25 リーナの秘密

 二つの仮説を立てた俺達は、あれから暫くして店を出た。

 まさかただの食事休憩のつもりで入った店で、これ程までに有意義な時間を過ごせるとは思わなかった。

 これ程までに……有益な仮説を立てる事ができるとは思わなかった。


「さて、再開っすね」


「ああ。早い所見つけちまおう」


 そして俺達は再びアリサを探し始める。

 元から重かった訳ではない足取りは、更に軽くなった様に感じた。

 だってそうだ。

 全ての仮説が正しければ、俺の意思が揺るがない限りは全てが丸く収まるのだから。


 俺達が求めている理想に辿りつけるのだから。


「……しかしまだ仮説とはいえ、俺もアリサもどっちも自分のスキルの事勘違いしてた可能性が高いんだよな。って事考えると世の中その辺り勘違いしたままの奴で溢れかえってそうだな」


「ま、実際そうだと思うっすよ」


 リーナは言う。


「人間の持つスキルに関してはまだ解明されてない事が多すぎるっすから。実際研究職に携わっている科学者ですら分からない事だらけなのに、そうでもない私達が。視覚と感覚で捉える以外判断基準がない私達が間違えない方が難しいんすよ」


「そんなもんか」


「そんなもんっす。それだけ難しいんすよスキルって存在は。昔少しだけそっち方面の勉強齧ったっすけど、さっぱりっすもん」


「なにお前その辺勉強してたの?」


「はい、してたっす」


 なんか微妙に詳しいと思ったけど、それなら納得である。

 あとはまあ無茶苦茶偏見というか、イメージで語りすぎなのは分かるけれ……コイツ勉強とかするんだ。

 そんな風に少し内心驚いていると、リーナは言う。


「意外っすか?」


「……まあ、ちょっとな」


「ならイメージを改めて欲しいっすね。私これでも色々勉強してたんすよ? スキルに限らず色々と」


「へぇ……」


 マジか! 全然イメージにねえ!


「外国語だって3か国語話せるっす」


「〇△〇*△〇#%$」


「ごめん喋れてるのかどうかも分からねえ!」


「駄目っすね先輩。時代はグローバルっすよ」


「まさかお前にそんな事言われるとは思わなかった」


 俺がそう言うとリーナが自然とドヤ顔を浮かべる。


 ……あれ? なんだろう……なんか悔しいんだけど。

 多分アリサが同じスペック持ってても「すげえじゃん」で終わる気がするんだけど、なんかリーナの場合すげえ悔しいんだけど。

 ……俺も勉強しようかな?

 ……いやいや待て待て。ただでさえ魔術だけでも手一杯でどうにもなってねえのに、そんなもんまで手を出したら全てが宙ぶらりんに終わる。


 ……つーかちょっと待て。


「というかお前、そんだけ勉強してんのに何で冒険者なんかになったんだよ」


 俺やアリサの場合は、生業として冒険者を選択するだけの明確な理由があった。

 選択せざるを得ない理由があった。


 だけど本当に冒険者というのは数ある職の一つに過ぎない。


 それこそリーナが本当に喋れてるのかは分からないが、外国語を習得する位に勉強していたのなら冒険者以外にいくらでも道が。というより高確率で他の道を歩んでいないとかえって違和感があるように思えた。

 だから聞いた、そんな問い。

 そんな問いにリーナは答える。


「それは乙女の秘密っす」


 そう言ってリーナは手に指を添えた。


「……そうか」


 そこから先、無理にその事を聞こうとはしなかった。

 別に俺にとってそれは必ず紐解かなければならない様な事でもない。そしてリーナが隠すつもりならば無理に問う必要も無い。


 ……そんな理由を並べられるけれど、実際の所はそれ以前に大きな理由があった。


 正直良く分からないけれど。気のせいかもしれないけれど。伝わってきた様に思えた。


 リーナから……そこから先に踏み込むなと言わんばかりの威圧感が。


 だから聞かなかった。聞けなかった。


 ……まあ誰にでも言いたくない事はあるだろう。

 とりあえず今はそれでいい。

 少なくとも今はそうしなくてはいけない気がする。


「じゃあいいや。とりあえず頑張ってアリサを探そうぜ」


「はいっす!」


 そう言って一旦その話は打ち切った。

 ……再開する日が来るかは分からないけれど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
面白かったら押していただけると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ