番外編 何かありましたね
「なんか話してんのか? 戻ってくるのおせえな」
病院の前でグレンはアリサとリーナが戻ってくるのを待っていた。
三人で外に出た訳だが、アリサが忘れ物をしたというのでアリサと……それから付き添いでリーナが病室へと戻っていった。
しかし戻ってくるのが思ったより遅いので、まあもう一度顔を合わせてクルージと何か話しているのではないかと推測する。
そうやって少し遅いと推測していたタイミングで、二人が戻ってきた。
「お、遅かっ……」
声を掛けようとしたが思わず言葉を詰まらせた。
なんだかよく分からないが、二人が顔を赤くして病院から出てきたのだ。
「えーっと……お前ら、中でなんかあったのか?」
「……いや、別に何もなかったですよ……」
「そうっすね……何もなかった……っす」
「で、忘れ物は?」
「えーっと、今度お見舞い行った時に取りに行きます……今はちょっと……その……はい」
「きょ、今日はこれで退散っすよ……今日は……」
「そ、そうか……」
そんな風にどこか恥ずかしそうに顔を赤らめてる二人と、クルージの病室の方角を交互に見た後、グレンは心中で呟く。
(……なんかあったな)
大正解。




