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1 スタート入院生活

四章スタートです。

多分比較的短めで明るい章になると思います。

「お察しとは思いますが、しばらく入院してもらいます」


「まあそうですよね」


 三人の付き添いで王都に戻ってきてすぐに病院へ行った訳だが、お察しの通り入院である。


「今度お見舞いに来る時、何か買ってきて欲しい物とかありますか?」


 病室にてベッドに座る俺にアリサがそう聞いてくる。


「そうだな……とりあえず、指切るリスクとかない奴で頼む」


「あーはい……まあ言いたい事は分かりますよ、うん……」


 アリサはそう言って少し恥ずかしそうに視線を反らす。


「というか……その辺あんまり無理しなくていいからな? 俺結構失礼な事言ってるの分かるけど、家でも無理にやんなくてもいいからな?」


「あ、はい……」


「大丈夫っすよ先輩」


 リーナが俺を安心させるように優しい笑みを浮かべて言う。


「私がアリサちゃんに果物ナイフ持たせても安全なようにしてみせるっすから」


 そうだ……お前が居た。


「リーナ……頼むぞ。アリサが怪我して病院送りになるような事だけは勘弁だからな」


「任せて欲しいっすよ。頑張るっす!」


「ああ……頼むぞ」


「はい!」


 そう言って俺とリーナはガッシリと手を繋ぐ。

 大丈夫だ。信じろ……リーナにその辺は託す!


「おーいお前ら、その辺にしとけよ。流石にアリサ可愛そうだからな」


 グレンに釘を刺された所で俺達は一応この話を取り止める。

 とはいえすげー心配なんだよなぁ。


「あーうん、大丈夫ですよ。ボクの場合冗談抜きで事実だし危ないし……でもこれからちゃんとリーナさんに料理教えて貰って、危なげなく美味しい物作れるようになるんで!」


 そう言ってアリサは気合を入れるようにそう言う……が。


「程々にな」


「慎重にっすよ慎重に」


 気合入れれば入れる程凄い心配なんだが。

 ……まあそうやって前向きに何かを頑張ろうって思ってくれているのは、ある意味安心はするのだけれど。


 ……ああいう事があった後だからな。


「まあ……アリサ。頑張れ」


「はい、頑張ります!」


 ……ああそうだ、頑張れ。


 ……本当に慎重に、程々にな。





 それからしばらくして、三人は病室を後にした。

 各々色々やる事がある。少し寂しいがまあ自然な流れだろう。

 ……で、寂しいと言えばだ。


「……そういや今回は相部屋か」


 前回は偶々同室に入院患者が居なかった為、俺が病室を独占していた訳だが、今回は同室に別の入院患者がいるらしい。


 散歩にでも行っているのか、俺が此処に来てからずっといないのだけれど、部屋の中を見た感じ二人はいる。

 コミュニケーションを取れるかは分からないけれど、一人よりは寂しくないな。

 そう思っていた時、病室の扉が開く。


「あれ? 誰かと思えばクルージさんじゃないですか」


「あ、ルークさん」


 病室に入ってきたのはルークだった。


「ってその恰好……まさか同室の入院患者って……」


「俺ですよ。ハハハ、まあ色々とヘマしまして……」


 そう言ってルークは俺の隣のベットに腰掛ける。


「という事はギルドの依頼で色々やらかしちまった感じか?」


「あ、いえ、違うんですよ」


 俺の問いを否定したルークは、僅かに視線を逸らしながら言う。


「ちょっと……まあ、女の子に刺されまして」


「……」


 ……そっちかぁ。

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