表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
555/565

第二話 ナガレを付け狙うのは?

 皆と別れ、ナガレは足の向くまま気の向くままの旅に出た。この世界を自らの足で見て回るのが目的だ。


 それもナガレが少し本気を出せば瞬きしてる間に終わることだが、ナガレはこれで旅を愉しむタイプでもある。


 故に今の歩みもかなりゆったりしたものだ。もっとも歩みはゆっくりでも途中で分体を作り意識を共有させるぐらいはしているわけだが。


「――こそこそ付け回されるのに、あまりいい気分はしませんね」


 山道を征く途中、ナガレが確信したように口にした。すると木の影から一人の男が姿を見せる。


「なるほど。それなりには鋭いみたいだな」


 ナガレが振り返る。そこには黒尽くめの男が立っていた。砲金色の髪を左右で分けまるで角が生えてるかのような形をしている。目つきは鋸のようであり、目にした相手総てを傷つけてそうな雰囲気があった。


「貴方がナンバーズのエグゼ・キラーですか」

「俺が誰か知りたいか? 俺こそがナンバーズのNoXIIエグゼ、は?」


 エグザがナガレに名乗ろうとするが、一足早くナガレが名前を伝えたため、随分と彼も驚いたようだ。


「待て何で知ってる!」

「私、勘が鋭いので」

「意味わかんねぇよ!」


 エグゼが叫ぶ。不可解と言った顔をしているが一を知り満を知るナガレであればそれぐらい当たり前のように察してしまう。


 勿論そんなことを彼は知らない。


 エグゼはグレープ、バレット、コラットの三人は派遣したがこれまで自ら姿を晒すことはなかった。


 それは彼のいつもの手でもあった。だがあっさりと看破され今は悔しそうにしている。


「ところで私に何か御用で?」

「フンッ。用はあるさ。俺の仲間を随分と可愛がってくれたようだしな」

「いえいえ、こちらこそお世話になりました。おかげで皆がより強くなれました」

「いや、これはご丁寧に、てそうじゃねぇよ!」


 ナガレがペコリと頭を下げつられて返礼しそうになるエグゼだったがすぐにツッコミを入れた。中々ノリのいい男ですね、とナガレは考える。


「チッ、調子の狂う奴だ。まぁいい。お前Fランクなんて大層な称号を得たようだが」

「誤解されやすいのが欠点ですかね」

「あぁ、確かにFと聞くとEの下っぽく思えるからな。俺も最初は何だよFってと鼻で笑いそうに――そうじゃねぇ!」


 中々のノリツッコミだなとナガレは思った。


「とにかく俺はテメェに制裁を加えるために来たんだよ――覚悟しやがれ」


 ナガレに宣言し、マントを広げると突如靭やかな刃が四方八方に伸び、かと思えばエグゼを包みこむような球状に変化する。


「なるほど。随分と変わった武器を扱うのですね」

「カカッ、当然よ。こいつの銘は【ジェノサイド】。世界で唯一俺だけが持つ専用の武器だ」

「ほう。それは興味深いですね」


 顎に指を添え感心したようにナガレが頷いた。その余裕な態度がエグゼには気に入らないらしい。


「そうかよ。だったらたっぷりと味あわせてやる!」


 吐き捨てるように口にし、そして――ヴォン、ヴォンっと奇妙な音を鳴らしながらエグゼのジェノサイドが回転を始めた。


「見たか? こいつは回転することで攻撃と防御を同時にこなす究極の武器だ。これでお前は終わり!」


 そしてエグゼはジェノサイドを回転させたままナガレへと突撃してきた。


「なるほど――」


 ナガレが手を翳しエグゼがニヤリと口角を吊り上げた。


「馬鹿がその腕ごとずたずたに斬り裂いてやるよ!」

「さて、どうなりますか――」


 ジェノサイドがナガレの腕を飲み込む、がその瞬間ナガレが空中を舞いエグゼも逆側に飛んでいく。


「な、なんだぁ!?」

「ふむ。なるほどなるほど。中々の勢いですね」


 ナガレがふわりと柔らかく着地。一方でエグゼはギュルルルルッ! とより激しくジェノサイドを回転させ落下した。


 エグゼの足元が抉れすり鉢状に陥没した。それだけの威力が籠もっていたわけだがナガレには傷一つない。


「なるほど少しはやるようだな。だが俺はまだまだ本気じゃないぜ!」

「奇遇ですね私もですよ――」

『水魔法なんて使えないと家からも勇者パーティーからも追放されたけど、水が万能だと気がついたら水の賢者と呼ばれるまでに成長しました~今更水が欲しいと言われてもそう易々とは譲れないな~』という新作を公開中です!不遇な水属性故に追放された主人公が水の重さを知り水の賢者と呼ばれるまでに成長し追放した連中を見返しザマァします!追放系です。『合気道』を読んで頂けてる方なら新作も楽しめると思います。下のリンクからも作品へ飛べますのでどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ノリがいいあたり、口が悪いだけで根は素直なタイプだこれ……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ