第五十二話 お酒は二十歳になってから!
バイトがめんどい。
おっと本音が、最近なんか更新が大分遅れ気味なんです。
まあ、今更?って感じかもしれませんが。
とりあえず、心だけは早めに更新の気持ちでやっていきたいと思います。
「ふへへ!兄貴は何処だァ。キスしてやんぞぉ~~~」
ガタガタガタガタ!
「ここかァ!?」
その声と同時に遠くでバキィっと何かの華連の拳の犠牲になった音が聞こえた。
ブルブルブルブル
殺される!絶対に殺される!!!
俺は今、廊下にある階段の横にある小さい倉庫の中で体育座りし、ウサギ顔負けのレベルで肩をブルブルと震わしながら隠れている
今の華蓮に俺が見つかったら十中八九あんな事やこんな事をされてしまうだろう、しかも容赦なく!
「おらァ!クソ兄貴!何処に隠れてやがるぅ~~~~!この華蓮様が直々(じきじき)にお前を呼んでんだ!とっとと出てきやがれぇ!」
その言葉のBGMに、再び何かをバキィっと割る音が聞こえた。
というか、ナチュナルに物を壊すんじゃない!
その壊した物、あとでどうせ俺が処分する羽目になるんだから!
さあ、何故俺がこんな目にあっているのか、振り返ってみよう。
~三十分前~
俺はベッドの上に寝転がりながら最新刊のバトル漫画を読んでいた。
「今週はあんま見所ねえなぁ」
俺は待ちに待った最新刊がそれ程迫力が無かった事に、内心がっかりしていた。
漫画の次のページを捲ろうと手に掴んだその時、
ガチャっ
「おいクソ兄貴」
「人の部屋に入って開口一番目に言う言葉が「クソ兄貴」でお兄ちゃんは悲しい」
当然我が家に俺をクソ兄貴呼ばわりする存在は一人しかいない。
そこには、未だに自分の兄を敬えていない華蓮がいた。
「じゃあションベン兄貴」
「誰が大から小に変えろと言った。あと、結局根本の部分は何一つ変わっていない!というか、むしろ悪化している!」
クソ兄貴であれば、ギリギリありきたりという感じだが。
ションベン兄貴だと何か大変な誤解を生む事になるのは、火をみるよりも明白だ。
「で、どした?何しにきたんだよ」
「あ?ああ。兄貴を馬鹿にしに」
「予想以上の理由に更にショック!!!」
俺は顔を思いっきり枕に突っ込んだ。
ああ、枕がもっふもふであったか~い。
俺が、枕の天使のような包容力に現実逃避をしていると、
「冗談だから私を置いて変な世界にダイブするな」
俺は無理やり枕から引き剥がされた。
あ~、あ~、枕が、枕様がぁ~~~。
俺が枕に向かい手を伸ばした時、
メキィ
と、非、日常的な音がしたな、と思ったその時。
俺の目の前の世界は、暗闇という監獄に幽閉されてしまった。
「起きろ」
バシィ!
「痛ぁぁぁ!」
俺は、頬の痛みと共に目覚めの時を向かえた。
よく見ると目の前で思いっきり華蓮が手を振り上げている。
お前か、こんちくしょうめ!
「あ、起きた」
「そりゃあんな音響かせて頬を叩いたら誰でも起きるわ!」
俺は涙目になりながら頬を押さえ華蓮を睨む。
その肝心な華蓮は、そんな俺を見下す様な目で見ている。
そしてそんな時も一瞬。
次の瞬間華蓮が口を開いた。
「で?飯は何がいいんだ?」
「は?」
いきなり何をいうんだこいつは。
「だ~か~ら!飯!何か欲しい物はないのか?って聞いてんだよ!」
「え、じゃあ、餃子?」
「餃子だな、分かった」
そういって踵を返し歩き出そうとする華蓮
「お、おいおいちょっと待て!」
「何だよ」
俺は行こうとする華蓮に待ったをかけ、足を止めさせる。
俺も咄嗟に餃子、と答えてしまったが、きちんと状況を把握できてない!
「華蓮、お前が俺の部屋に来た理由ってもしかして、この為?」
「そうだよ、それ以外の理由でこんな男臭い部屋に入るか」
いや、逆にそれだけなら部屋の外から聞いたとしても一緒じゃね?
と、思ったが、それを言って俺に何かの得があるとは思えないので、黙っている事にした。
「とりあえず、餃子でいいのな」
「あ、ああ」
「わかった」
そう言い華連は先程と同じように踵を返し部屋から出て行った。
まあ、変な所であいつは律儀だ。
「母さん、父さん、あなた達の娘は立派に育っていますよ」
ですから、あなた達も少しは大人になって頂きたい。
そんな事を思った俺だった。
~side華蓮~
「ふんふふ~ん♪」
兄貴の部屋から出て来て十分
私は今、汚れ一つない清潔なキッチンの上で、餃子の皮の中に肉を詰めている所だ。
「お~りたたんでたたんで、クルッと丸めて出来上がり♪っと」
やっと最後の一つが出来上がった。
うむ、我ながら言い出来上がり!
これならお兄ちゃんも喜んでくれる事、間違いない!
ああ、この感情を素直にお兄ちゃんに出せたら、もっといいんだけどなぁ。
「よっしゃ」
それと何か家の中だとお兄ちゃんが見ていない時もこの口調だ。
このままだと学校でもこの口調が出てしまうかもしれない、気をつけねば。
「それにしても来年には私も高校生か……………時間が経つのは早いなぁ」
まあ多分受験の方は特に問題ないだろうが、それよりも入った後だ。
「どうするかなぁ」
私が兄貴と同じ高校に入った後、中学のままの性格で高校にいけるだろうか?
もし廊下とかでお兄ちゃんとあったら、咄嗟にクソ兄貴と呼んでしまう可能性がある。
じゃあ別の高校にいけばいいという選択肢もあるが、まあ、ない。
少なくともそんな選択肢は私の中に、ない!
「ま、今じゃなくても大丈夫だよね」
私は出来上がった料理をテーブルの上に一つ一つ置いていった。
私は置いていった料理を見つめて今日の料理の出来に満足な顔でうなずいた。
「うん、今日もまた料理は良好!」
本当、今の自分を見て昔の私の料理は酷かったわ。
チョコレートとかカレーの中に入れてたし。
ま、兄貴が美味しそうに食べてくれるから苦じゃなく作れるんだけどね。
「さってと、じゃあクソ兄貴を呼ぶとしますかね」
~徹side~
「ふう。やっぱり、今回は俺的にはちょっといまいちだったな」
俺は読んでいた漫画を静かに閉じ、本棚の方へしまった。
う~む、そろそろ下に行った方がいいかな?
と、そんな事を考えていた時
「クソ兄貴!飯が出来た、降りて来い」
先にお呼びがかかってしまった。
はいはい、クソ兄貴只今向かいますよ。
俺は自分の部屋を出て、階段を下りる。
すると、既にテーブルについている華蓮と目が合った。
「遅い」
「すいません」
そんなに時間、かかってないと思うけどなぁ。
でもそれを言うと、温かそうな飯が冷めるまでず~っとグチグチ言われそうなので胸に秘めておこう。
俺は謝りながら席につく。
「じゃあ」
「「頂きます」」
その言葉と同時に俺と華蓮は晩御飯を食べ始める。
俺はリクエストした餃子から口に入れてみた。
華蓮はそんな俺をじ~~っとみている、感想を聞きたいんだろうか?
「華蓮、この餃子美味い!やっぱり華蓮が作る飯は、何食ってもハズレがないな!」
「ふ、ふん!当たり前だろうが、この私が作る料理だぞ?不味い訳ないだろうが////」
華蓮は若干そっぽ向きながら不機嫌そうに言っているが、きっと照れ隠しでそう言ってるんだと、俺は感じた。
「ふ~~食った食った!ご馳走様!」
「お粗末さまだ、じゃあ片付けるな」
そう言って華蓮はテーブルの上の空になった皿を下げ始める。
俺もそれを手伝う事にした。
最初華蓮は、「別に私がやるからいいぞ?」と言っていたが、ここで俺が何もしないと、本当に駄目になってしまいそうなので手伝う。
お皿を下げた後は、華蓮がお皿を洗い、俺がそれを拭く、といった感じになる。
まあ、いつもこんな感じなんだけど。
そして俺と華蓮の二人で黙々と皿を片付けた後、俺はリビングのテレビの前のソワァーにドカっと全体重を預けた。
「は~~、やっぱりただ皿を拭くだけでも疲れるなぁ」
別にそこまで疲れたわけじゃないが、何となく疲れた気がしたのでそう言ってみた。
するとその言葉を聞いた華蓮が俺の目の前に立って何かを差し出してきた。
「じゃあ疲れたクソ兄貴にこれやるよ」
「おっ!ありがと」
華蓮が持っていた四角い箱から一つ取って口に入れてみる。
おお、チョコか!
「美味いな、これ」
「ああ、友達がどっかのお土産としてくれたんだ」
「ふ~ん」
しっかし不思議な味だな。
甘いような苦いような?
何味だ?これ?
「うん、やっぱりチョコに外れはないな!」
そんな謎もよそに、
ブラックホールが如くパクパク口の中にチョコを入れている華蓮を見て、
「そんなに食ったら太るし、虫歯になるぞ」
「その分動いてるし、歯磨きだって毎日かかさずしてっから大丈夫だ」
そう言って尚も華蓮はチョコを食べる。
そして俺は謎に思ってた事を華蓮に聞く事にする。
「なあ、このチョコって一体何味なんだ?」
「あ?そういえば不思議な味がすんな?これ一体な…………んだ………?」
その言葉と同時に華連はドサッと倒れた。
「華蓮!!!」
俺は急いで倒れた華連を強く揺すった。
何かの病気か何かと思い焦ったが、それもすぐに杞憂へと変わった。
「う~~ん、ふへへ/////」
顔を真っ赤にしながらニヤケる華蓮を見て、とりあえずは大丈夫そうだと感じた。
そして、俺が華蓮の手の中にある箱をよく見ると表紙の真ん中にデカデカとバーボンと書いてあった。
「それで、あの味か」
俺はようやく先程のチョコの不思議な味について合点がいった。
しかし
「あんなチョコ程度でこんなになるなんて、どんだけアルコールに弱いんだよ。ま、とりあえず、無事でよかった」
俺は、そんな事を言った自分に少し照れた。
それより
「さてと、眠っちまった華連を部屋まで送らないとな」
俺が華連を抱きかかえようとした、その時!
「!?」
俺は身の危険を感じバッと後ろに飛んだ。
「なんだ?」
俺が華蓮の事を不思議そうな目で見ていると、目の前でさっきまで顔を赤くしてニヤケていた華連の目が開き、ユラリと立ち上がった。
しかし、今の華連は何かが違う。
俺の中でのお兄ちゃんレーダーがそう叫んでいる。
「か、華蓮さん?」
俺は恐る恐る華蓮に話かけてみる。
しかし華蓮は何も答えずただ床を見ていた。
正直ホラーゲームとかより怖い。
しかも、今華蓮は髪を全て解いているので金色とも呼べる綺麗な髪が顔のパーツを全て覆っている。
あれだ!金色バージョン貞子。
超怖え。
「ふへへ、ふへへへへ!」
いきなりなんか笑い出した!
「兄貴ィ~~~」
そう言いながら華蓮であろうものは俺に手を伸ばして迫ってきた。
やばい!やばいよ!
俺はその華蓮の直線的な攻撃を避けた。
とりあえず!戦略的撤退!
決して!決して怖かった訳ではありません。
いや、怖かったけどさ!
だってあのままいたらきっと俺、酔った華蓮にボコボコにされて殺される事必死だし!
って誰に言い訳してんだ俺は。
「とりあえず、ここに隠れるか!」
そして俺は階段の下にある倉庫に隠れた。
「兄貴、どこ?どこにいるの?」
「!!!」
すぐそこにいる!
俺は自分の口を反射的に塞いだ。
「兄貴はオイタが好きだなァ。まあ、そんな所も好きだけどォ。オイタする子にはお仕置きしないとだなァ!見つけたら(ピーーー)して(ピーーー)した後、(ピーーー)の刑だァ!」
駄目だ、今絶対に見つかったらマズイ!!!
正直、殴られるレベルだったら大丈夫かなと思ったけど!
今の華蓮は殴った後に「はいおしまい」で済ましてくれない気がする!
てか!今思いっきり口にしたよね!
俺の全身から冷や汗という名の涙が流れる。
「さあ、どこだあああああああああああああああ」
こんな感じで、俺は未だにこの倉庫から出れないでいる。
いやーー全く、華蓮は誰からあんな卑猥な事を教わったのだろうか?
はっ!もしかして俺の知らない彼氏!?
お兄ちゃんそんなの許しませんよ!!!
「ん?」
そういえば思い出してて気付かなかったが静かになったな。
華蓮の声どころか足音ひとつしない。
「もしかして、あの状態で外に出ちまったとか!?」
今の華蓮が、善良な市民を守るお巡りさんなんかに見つかったら一発OUTだ!
俺は手遅れになる前にこの倉庫から出る事にした。
「ガチャっ!」
そして倉庫の目の前には…………否
俺の目の前には、後光がさされて顔が見えない華蓮の姿があった。
どうしよう、今俺は華蓮が外に出てなかった嬉しさと、今俺の目の前にいるバーサーカーへの恐怖で頭の中がグッチャグチャになっている。
とりあえず
「そ~~~」
ガシッ
俺は華蓮の横を何気ない顔で通り抜けようとしたが、襟元を掴まれた。
そうっすよね、駄目っすよね、知ってます。
そしてようやく、この状態の華蓮の顔を真正面から見ることが出来た。
その顔は……………
「愛しの兄貴、み~っけたァ!」
メキィ!
グッタリ……………
お酒の話は数少ないストックの中にあった話です。
なので、ストーリ的には日常編(夏休み)になるんですかね?
あと、夏祭りなんかのストーリーも入れていきたいと思います。
期待しててね!




