第四十話 ちゃんとリクエストに答えていなかったり?
長い間投稿できず、すいませんでした。
実はネット回線が一時おじゃんになりまして………
いい訳だと分かっています。
しかし、なんとかその優しき心で許してやってもらえますよう願わせてください。
今は帰りのHR中だ。
私は明日の予定などを話す教師の声をBGMにしながら、窓の外を頬杖をつきながら見ていた。
今日の天気は快晴だ。
空は雲一つもないオレンジ色、一般からすれば何の面白みもない光景。
しかし私はいつもそれに何故か目が引きつけられる。
そうして窓の外を見ていると周りの者達が席から一斉に立ち上がった。
どうやら外を見ている内に
教師の長話が終わったらしい。
「さようなら」
「「「「「さようなら」」」」」
そう言うと同時に皆一斉に動き出した。
部活へ急ぐもの、席に座り仲のいい者同士で喋りだす者、様々だ。
そんな私も立ち上がる。
「ねえねえ花蓮ッチ!!今日はどっか行くの?」
立ち上がった丁度に繭が凄まじいスピードで私に寄ってきた。
これはもう日常茶飯事だ、いつもの事なのでいつも通りに返す。
「何処も行かない、これから帰るの」
「え~~!今日は部活ないから一緒にどっか行こうよぉ~~!」
「今日部活ないの?」
「さっき先生が言ってたよ!「今日は先生同士の会議があるから部活は休みだ」って」
聞いてなかった。
耳には入っていたが私の脳に留まらずそのまま抜け出していってしまった。
まさしく右から左へ聞き流す!だ。
「そうなんだ」
「ねっ!だから一緒に時雨とか誘って行こう!」
う~~ん。
まあ、今日位は部活もないらしいし、ちょっと付き合ってあげるようかな?
私はさっきまでの考えを傾け、今日は繭に付き合う事に決めた。
「まあ、わかったよ」
「やったーー!じゃあ時雨にも言っとくねぇ!」
そう言うと五メートルもない距離を猛ダッシュし、ある意味突進だ。
繭はその通りに、時雨へと突進した。
しかし時雨は武道家の娘だ、それを最初から予想してたようにひらりとかわす。
すると繭は、避けられた事を理解したが急には止まれず壁に向かって顔面を差し出していた。
このままではぶつかる!と言う所でグッと繭の体が止まった。
「なにしてんだ?」
寸での所で、時雨が繭の制服を掴んだからだ。
「ふ~~!危なかった、ありがとう」
「ああ、まあそれはいいが、私に向かって突進してきた事について説明は無か?」
すると未だに制服を掴まれたままの繭は、首をグルンと回し時雨に向け
「一緒にどっか行こぉ~~~!」
「どっか?」
「うん、花蓮ッチも行くって!」
すると時雨は、繭を掴んでいた手を放してこっちを見てきた。
こっちにスタスタと歩いてくると珍しそうな目を向けてきた。
「珍しい、花蓮が一緒に遊びに来るなんて」
「いやまあ、今日は部活ないらしいし。たまには一緒に行くのもいいかな?って」
「ほう。じゃあ今日は遊びに行こうか。私も当然だが今日は部活が休みだからな、じゃあ三人で行くか」
そう言い時雨は机に置きっぱなしにしていたが学生鞄を手に取ると近づいてきた。
繭も待ってましたとばかりに目を光らしている。
「ささ、行きましょ行きましょ!」
まるで偉い人に媚を売る社員みたいな口調で教室のドアへと誘おうとする繭。
ついプッと吹き出してしまった。
そうして、廊下を歩きながら三人で何処へ行くか!とか話しあっていたのだが、結局特に行く場所が決まらぬまま昇降口についてしまった。
しかし、そこですんなり遊びに行ければよかったのだがここで思わぬアクシデントが起こった。
「す、鈴木さん!」
なんか男子生徒が昇降口から出ていこうとした私達を、いや、正確には私を呼びとめた。
顔は中性的な顔立ちで声も若干高めだ、最近流行りの男の娘?にいそう。
それが私の彼への第一印象だった。
「なんですか?」
私は二人がいる事で早く行きたいとも思ったが、その気持ちを押し殺し当たり障りのない返答を心がけた、つもり。
「その、今ちょっといいですか!」
…………………………またか。
私はそう思った。
こういう似たような状況はこれまでに何度も経験した、それはもう嫌という程に。
しかし私はこれでも心が広いつもりだ、なのでここで冷たく突き放すのは頂けないと思う、ので。
「二人ともちょっとだけいい?」
私は、これから一緒に遊びに行こうとしてた友達の足を、止めてしまう事実に若干の罪悪感を抱きながら聞いてみる。
すると、片方は腕組みをしながら、もう片方は興味ありげに男子生徒を見ながら。
「私はいいぞ」
「私もいいよ、うひひ」
なぜか楽しそうなのが一名いるが気にしない、気にしたら負けだ。
私はありがとうと二人の友達に感謝し、その男子に連れられ。
この学校に未だに咲いている、桜の木の前にまで連れてこられた。
しかしなぜか、私の二人の友達も付いてきているのだが。
そしてそれに関しては、この男子は何の反応も見せない。
「そ、その…………えっと……あの、僕の名前は田村って言います!あの鈴木さん!!!」
「はい」
「あなたに図書室で本を取ってもらった時から好きでした!ぼ、僕と付き合って下さい!!!!!」
そう言うと男子生徒は頭をビュッという音と共に勢いよく下げた。
まあ、端から見れば素晴らしい光景だろう。
告白する男子と告白される女子、バックには桜の木があり、しかもこの男子が告白をした瞬間風がふいて桜がブワっと舞い上がった。
まるでどっかの主人公の様だ、顔は中性的だしね。
しかし図書室で本を取って上げた男子か……………まったく覚えがない。
そしてそんな様子を端から友人二人が興味ありげに見ている。
片方は真面目な顔をしているが若干鼻血が出ていて、もう片方は興味ありげに何処から取り出したのか、グルグル眼鏡を取り出し装着しながら「ほ~~」とか「ヒューヒュー」とか、アホな事をやっている。
まあ、とりあえずこの男子への答えは決まっているのでその答えを先に出す事にする。
私は丁寧に腰を折り
「ごめんなさい」
するとさっきまで頭を下げていた男子が頭を上げて
「そうですか………すいません。いきなりこんな事言って」
「いや、大丈夫ですけど」
大丈夫なんかじゃないけどね。
まあ、少しくらいはフォローしてあげるか。
私はそっとその男子の手を握った。
手を握るとその男子が震えてる事が分かり、少し申し訳ない気分になる。
握られた男子は訳がわからずただカチーンという擬音が似合いそうな程に固まっている。
「私なんかより素敵な女性はたくさんいます。なのでこれからもっと良い女性を探して下さい。それがあなたの為になります」
凄い恥ずかしい台詞だが、これはある意味本当にそう思っている事なのでそう言っておく。
すると男子は目の端に涙を留めて「ありがとうございます」という言葉を最後に走り去っていってしまった。
「お疲れ~~」
さっきまで面白そうにしていた繭が何時買ったのか、お茶をくれた。
ありがたい。
「ありがと」
そういって私は一口お茶を喉の奥に流し込んだ。
すると今度は鼻にティッシュを詰めている時雨が
「しかし、爽やかマスコット田村君でもダメだったか。流石、黄金の女王鈴木花蓮様」
なに、その恥ずかしい通り名、ていう呼ばれてるの!!!
そう言えばそんな名前の、女子に可愛がられてる男子がいたような、いなかったような。
まあ、正直どうでもいいけど。
それより黄金の女王についてだ!どういう事なんだ、私そんなの知らないぞ。
そこで楽しそうな視線を向けてくる繭。
「ふふ~ん!」
「なに?」
「そうだよね、やっぱりそうなんだよね!」
「なにが?」
「だって花蓮にはお兄ちゃんがいるもんねぇ!」
「なっ!!!」
繭のその言葉に私は真っ赤になった。
いや、違うよ。
別に私はお兄ちゃんを尊敬しているだけで。
いやでも、お兄ちゃんに魅力が無いって訳じゃなくて!
って違う違う!私がそう思ってる訳じゃなくて世間一般でそうであると言うだけで!って誰に言ってるんだ私は。
「あ~~花蓮ッチ戻ってきて」
「駄目だなこれは、完全に自分の世界に入ってる」
「ねぇ~どうするのこれ?」
「まあ、普通に肩を揺すれば気付くと思うが」
そう言うと時雨は花蓮の近くに近づき肩を揺すった。
「花蓮、おい花蓮」
「はっ!なに!?」
「いや、いい加減用事も終わったし時間がなくなる前に行こう」
「あっ、うん」
私はやっと正気に戻り三人で校門へと向かった。
っていうか
「時雨、黄金の女王って何?」
「うん!?知らないのか?当の本人が?」
知らないから聞いているのだが。
すると驚愕だ、と言われそうな顔をした時雨がそれも一瞬。
いつもの顔に戻すとそれについて話始めた。
「黄金の女王、誰が告白しても返事はノー。成績はいつもトップ。何事にも置いて、常にトップを取り、頂点にいる事から女王とつけられたらしいよ」
「なにその恥ずかしいの。じゃあ黄金は?」
「髪が黄色いからじゃない?」
「適当だなぁ」
ハァ~~~
私は重く深いため息を吐いた。
まさか自分自身の事なのに、ここまで知らなかったとはびっくりだ。
「まあいいじゃん。褒められてんだよ!崇められてんだよ女王様!」
「その名で呼ばないで!恥ずかしいから!」
「女王様か、よかったじゃないか。長じゃないか」
「やめてよ時雨まで」
私達は二人にその事を弄られながら遊びに行く事になった。
二人に弄られ過ぎて、若干いつもより疲れた。
「おい兄貴!飯が出来たぞ!」
私は、今回作ったロールキャベツやチンジャオロース、その他もろもろをテーブルの上に置いていき準備ができた所でお兄ちゃんを大声で呼ぶ。
するとトントントンと階段から足音が鳴り徹お兄ちゃんが降りてきた。
私は今日の繭の言葉を思い出し顔がほんのり赤くなった。
「お~~今日もまた美味しそうだな!」
「ふん、私の料理はいつも美味しいんだよ」
「そうだったな、悪い悪い」
私と徹お兄ちゃんは席につき一緒に
「「頂きます」」
そして私達は晩御飯を食べ始めた。
私は徹お兄ちゃんから学校の事を聞きながらそれを冷たく返す。
内心は、徹お兄ちゃんチェックとして、私の脳内保存で学校にあった事を記録しているのだが。
今回の徹お兄ちゃんの話は学校の生徒会長の事だ。
なんでも、生徒会長が自分の事を玩具にしようとしていて毎日が大変だ、と言う事らしい。
正直私は、その生徒会長が羨ましく感じた。
いや、妬みに近いかもしれない。
私はその苛立ちからか、自然と箸の手が止まってしまう。
それに気付いた徹お兄ちゃんは
「どうした?もうお腹いっぱいなのか?」
まったく!こっちの気も知らないで、呑気なお兄ちゃんだ。
「そんな事クソ兄貴には関係ないだろうが」
そしていつも通り徹お兄ちゃんに冷たく返してしまう。
時々、私は徹お兄ちゃんに対して素直になることが一生出来ないんじゃないかと、怖くなる時がある。
そして、それにより徹お兄ちゃんが自分から離れていってしまう事も………
「おいおい、関係なくはないだろ」
あはは、と笑いながら今は許してくれているが、いつまでこれが許されるのか分からない。
でも、それでも自分は素直になれない。
軽く泣きそうだ。
「しかし、こんだけ美味しい料理ができるし、家事のスペックも高い。これは花蓮の婿になった奴は幸せもんだな!」
「なっ!」
と、言う事は。
徹お兄ちゃんも私が嫁になったら嬉しのかな?
いや、だから私は徹お兄ちゃんを尊敬してるだけで好きって訳ではない!
ただ、もうちょっと私の事を見てくれてもいいんじゃないかな?って思うだけで。
だから私は誰に言ってるの!
そんな事を考えている私は無意識に何かを口にしていた。
「じゃあ、仮に兄貴だったら嬉しいのかよ」
「へ?」
「仮に私が兄貴の嫁だったら嬉しいのかよって事……………」
「なんだそれ?」
「いいから答えろ!」
「えぇ?まあ、そりゃ当然そんな事があったら嬉しいけど」
徹お兄ちゃんは何言ってんの?という顔で私を見てきた。
私はその答えに
「はん!まあ、そんな事は一生ないがな!私ほどの女が、お前如きに靡くほど甘くはないわ!!!」
「はぁぁ!?なんだよそれ、自分で聞いてきたくせに!」
「まあ、この花蓮様が一つ屋根の下で一緒に暮らしている、という事実に精々ありがたみを感じるんだな!!!」
「あのね、昔から一緒に住んでるけど君にありがたみを感じた事はないよ?」
「ふん!」
そう言った私は、自分の食器を片づけ未だ抗議している徹お兄ちゃんの横を通り階段を軽い足取りでタッタッタと上がり自分の部屋に入りこむと、電気をつけ、布団に一直線に飛び込んだ。
私が飛び込んだ衝撃で、布団に置いてあるぬいぐるみ達は錯乱し、ベッドは私の体重と共に軋む。
ここで私のツンデレ状態はオフになる。
「そっかぁ、お兄ちゃんは私がお嫁さんになったら嬉しいのかぁ!そっかぁ!」
置いてある枕に思いっきり顔を埋めスリスリと顔を押しつけた。
そうしていないと、自分の恐ろしい程ニヤケている顔が収まらないと思ったから。
「う~~ん、もお!早く高校生にならないかなぁ!そうしたらもっと徹お兄ちゃんと一緒にいられるのに!」
普段ならこうはならないだろう、しかしさっきまで思い詰めていた分、タカが外れてしまった。
今の私は誰かに見せられたもんじゃない。
もう、これも全部徹お兄ちゃんのせいだ!
まったく…………………もう。
その頃、徹。
テーブルに乗った大量の料理を見て一言
「これ全部俺が食べるの?」
今回もそんなにツンデレ入っていませんでした。
なんかツン3のデレ7位の割合です。
これはいけませんね、ツンデレの割合って大体どの位なんでしょうか?




