第三十二話 メキメキボキバキバキジャッキン!
昔家にウサギが二匹いたのです。
その内一匹は生きているのですか、もう一匹の方は朝起きてみると死んでいました(涙)
しかし問題なのは死んだ日!つまり命日です、そのウサギの命日が俺の誕生日なんです。
俺は一生誕生日がくるとそのウサギの事を思い出す。
「さあ!これから鈴木 徹の学級裁判を始める!!!」
「「「「「おおおおおおおおおお!」」」」」
今俺は、教室の真ん中で縄に縛られ、手錠をかけられ、イスに座らせられている。
こんなに厳重に縛るこたぁないんじゃないの?という疑問をよそに、殺せー!だの、処刑だーとか、火あぶりにしろーだとか、それはまあクラスの中はヒートアップしている。
なぜこんな事になったか?それは朝のささやかな出来事が原因だった。
~家の前~
「……………」
「おはようございます!」
俺は今日もいつもどうり玄関から外に出た。
朝起き、学校の用意をし、朝食を食べ、玄関を開ける………ここまではいつもどうりだった。
しかし最後の玄関を開け、明るい日差しに手をかざした後、そこに撫が立っている事に俺は気がついた。
最初の方は、おお!朝から目の保養になるな~、なんて軽い気持ちでいた。
しかしその後俺はある疑問が浮かんだ、なぜここにいる、と。
とりあえず俺は朝の挨拶を返す事にする。
「おはよう、え?あれ、なんで俺の玄関前に撫が立ってるの?」
すると撫は顔を赤らめながらクネクネと体を揺らした。
「もちろん徹様と一緒に登校する為です!」
「えっ?ありがとう?でも撫ってこっち方面じゃないよね?明らかにこっち来たら遠回りだよね?」
俺は松上家が何処にあるかは知らないが、俺の家はかなり学校から遠いのでそれより遠い事はないだろうと思っていた。
「ええ、確かにこの家には遠回りですが、そんな事関係ありません!私は徹様と登校する為なら、例え正反対の所に家があろうと徹様の家に行きます!」
登校にそこまで意気込みする理由って何かあるか?
学校に行けば俺とも会えるだろうに………。
まあ、でも折角来てくれたんだそれは嬉しいしな。
「ありがとう!じゃ、折角だから一緒に行くか」
「はい!」
すると横に家からガチャッと言う音が聞こえた。
そこにはまあ隣なのだから当たり前なのだけど。
「あ~~~!徹お兄ちゃんが浮気してる!」
横の家から元気いっぱいな女の子が俺を指さしてトテトテと走ってきた、まあ由里ちゃんなのだが、しかしそれが小学生の由里ちゃんだけならば良かったのだが、そこにいたのは由里ちゃんだけではなかった。
「徹…………」
「や、やあ乙女、本日も素晴らしい朝だね!清々しい朝だ!」
そこには乙女もいたのだ。
俺は冷や汗を流しながらも、この場をなんとか沈めなければと思っていた。
もし俺の横にいるのが普通の女子ならば、乙女もこんなまるで死にかけているゴキブリを見るような眼はしないだろう。
しかし!今俺の横にいるのは学校入って美少女ランク1~5の指に入ると噂される女子だ。
でも、だからってそんな眼を向けなくてもいいじゃんか!
「ねえねえお姉ちゃん」
「ん?どうしました?」
「お姉ちゃんの名前って?」
「あ、申し遅れました。私の名前は松上 撫魅と申します」
「私はね由里って言うの」
「由里ちゃんですか、可愛いお名前ですね」
そんな冷や汗を流している俺の横で、撫と由里ちゃんが自己紹介をしていた、こっちを見ればきっと微笑ましい気持ちになれるのに!乙女が俺の心臓を掴んでいるようで、視線を逸らせない!!!
「撫魅お姉ちゃんって言うの?」
「へ?そうですね、撫魅お姉ちゃんです」
「撫魅お姉ちゃんと徹お兄ちゃんはどういう関係なの?」
「そうですね、一言では、言い表せない関係でしょうか?」
まずいよ撫ぇ~…………それは完全なる誤解を生むよ、ほら目の前に完全に誤解した般若さんがいるもん………。
そこには明らかに怒気のはらんだ顔をした乙女さんがいた
「だめだよ撫魅お姉ちゃん!徹お兄ちゃんは私のなんだから!!!」
「ふふ、譲りませんよ!」
待って、俺を大切に思ってくれるなら君たちもう口を閉ざしてくれないかな?目の前の人が拳を強く握り締めてるんだ、殴られるのはいい、でも俺はまだ死にたくないんです。
「なんだこれ?」
そこに一つの希望の声!
俺は乙女から視線を外し我が家の玄関を見た。
そこには制服に身を包んだ花蓮がいた。
それを撫も乙女も由里ちゃんも見る。
「………………ふんふん、おいクソ兄貴!」
「なんだ?」
呼ばれた俺は花蓮の声に反応するように疑問を返してやった。
しかし花蓮の口から発せられたのは希望なんかじゃなかった。
「学校行く前に三発殴らせろ」
「なんで!?」
全くもって意味が分からない!なぜこの状況を見ていきなり三発殴らせろだなんていうんだ!?
もっと違う言葉をかけるべきだろ!しかもなんでお前までキレ気味なんだよ!
もう駄目だ!この状況を打破するには一つしかない。
「逃げるが勝ちだぁ!こん畜生め!!!」
俺はその場から逃げる事を選択した。
花蓮からは逃げられないが、家に帰ったらきっと許してくれる!俺はそんな希望を胸に学校へと走って行った、軽い現実逃避の様なきもするが知らん、そんな現実など潰れてしまえ。
「あっ、学校行っても乙女と鉢合わせするじゃん……………」
「徹様?」
「うわっ!なんだ撫か」
「大丈夫ですか?」
俺は軽く悲しい笑みを浮かべて。
「大丈夫、だといいんだけどなぁ」
「お、落ち込まないで下さい!きっと大丈夫ですよ」
そう励ましてくれる撫を俺はまるで天使のように思えた。
俺は手をガシッと掴み涙を流しながら
「ありがとう、その言葉でちょっと勇気が出たよ」
しかし俺は肝心な事を忘れていた。
俺が撫と一緒にいて驚くのは、なにも乙女だけじゃない。
学校へと向かう坂道は一本道で、ほとんどの生徒がそこを通る事になる。
そんな生徒たちが、俺と撫が一緒に登校している所を見たらどう思うか。
ま、いわずもがな。
そして俺は教室に入った瞬間頭を殴られ、倒れた所をロープで縛りつけられた、プラス手錠。
そしてこの状況。
ちなみに、もう乙女はこの教室にいる。
更に言えば裁判長を務めてるのは啓介だ、こいつ真っ先に学級裁判を始めると言った張本人だ。
「被告人鈴木 徹!なんか弁明はあるかね?」
「いや、弁明も何もただ撫と一緒に登校しただけですが…………」
「「「「「撫!?」」」」」
あっ、やべ!俺の呼び方で呼んじゃった。
「ふむ、これは徹底的に被告人と松上様の関係をはっきりさせないといかんな」
「はい!裁判長」
「なんだね?傍聴席№16」
「今すぐこのクズ野郎を極刑にしてほしいです」
飛躍しすぎじゃね?
「うむ、私も今すぐこのクズ野郎を極刑にしたい、だが待つんだ、早まるなきっちり理由を明らかにしてから殺そう!」
「こらぁ!啓介お前親友とか言ってたくせに、何だこの裏切りは!」
すると、啓介はアメリカ風にフゥ、と言った感じで首を横に振った。
「私の名前は啓介等ではない、私の名前は…………………………貴様を罰する裁判長だぁ!!!覚えておけ」
駄目だ、啓介の奴完全に壊れてる………
どうするか…………
「では裁判を続行する、なにか物申したい者はいるか!」
「「「「「はい!」」」」」
傍聴席のほとんどが手を上げた。
こいつらには遠慮と言う言葉はないのか?
お前ら教師が手を上げろって言われても全然上げない癖に!!!
「では№23!どんな処刑方法がいいか述べよ」
あれ、なんか裁判長が聞いてる事、さっきと違くね?
しかも№23ってあの撫を狙ってる女子じゃんか。
「こいつの(ピー)を(ピー)して山奥で(ピー)の状態で(ぴ-------------)を希望します」
「「「「「………………」」」」」
…………うん、男子たちが全員固まって一部を押さえてる。
てか男女関係なしにドン引きされてるよ、そりゃ真顔でそんな残酷な事言ったらドン引きもされるか。
「ま、まあ、そこまではちょっとやりすぎかな?」
おい、さっきまでヒートしてた裁判長(啓介)まで引いてるぞ。
「よ、よしでは他に!」
その言葉で生徒たちは、活気を思い出したみたいだ。
さっきみたいにたっくさんの人が手を上げている。
「お前ら何してんだ?」
そこに鮫皮先生が顔をだした。
時間を見るとホームルームの時間になっていた。
鮫皮先生はこの現状を見て裁判長(啓介)に近寄った。
「これはなんだ?」
「はい!鮫皮先生、これは鈴木 徹の学級裁判であります!!!」
「そうか」
俺はここがチャンスだと思い、鮫皮先生に助けて貰うために叫んだ。
「鮫皮先生!俺は潔白です、冤罪なんです助けて下さい!!!」
「と、言ってるが?」
「嘘ですね、現に彼が罪を犯したのを何人もの生徒が見てますし」
「そうか、らしいぞ?」
「ていうか、何の罪か聞いてもいないのに進めないで下さいよ!」
「それもそうだな、何の罪なんだ?」
「松上様と一緒に登校した罪です!この罪は万死に値する!!!」
「ふむ、ちなみにその松上は何処にいる?この教室には居ないようだが」
「松上様は別室で私の部下が丁重におもてなしをさせて頂いております」
「勝手に他の空き教室を使うな」
鮫皮先生、早く俺を助けてくれませんか?
俺を見た鮫皮先生は一回ため息をつくと裁判長(啓介)に何か小声で言った。
すると裁判長(啓介)は眼をカッと見開き
「では!判決を下す、鈴木 徹は一緒に登校したが、どちらも特に他意はなかったとし、無罪とはいかないにしろ、減刑を言い渡す!」
こうしてよく分からない裁判は終わった、最初は他の生徒が勿論納得しなかった…………が、そこは教祖様の出番だ、なんやかんやで他の生徒を納得させた。
この時、正直その時だけ俺自身も教祖様に見えた。
しかし、その減刑の刑、その名前は
「その刑は、ぜーーんぶ乙女に任せる!………の刑だ」
うん?あれ?なんでそうなるの?減刑なんだよね、それ減刑って言わなくない?
鮫皮先生は俺の方を見て、グッと親指を立てた。
多分、鮫皮先生は俺の友達の乙女なら手加減すると思ったのだろう。
いつもの乙女なら手加減してくれるだろう。
だけど今の乙女はバーサーカー状態なのだ、しかもあいつが教室入ってから一言も喋ってない。
その沈黙がとても恐い。
カツカツカツカツ
その音が、今は死神の足音に聞こえる!誇張して言ってはいないぞ?
ガシッ!ずるずる………
俺は首を乙女に掴まれ引きずられた。
俺は抵抗しようなどと思わなかった、ただ………命の灯が消えないといいなぁ~などと悠長に考えた。
その後鮫皮先生から聞いた話だが、俺が引きずられた後、撫が教室に戻されそこで俺の事を必死に弁明してくれたらしい。
しかし、肝心の俺は刑執行後病院に搬送、俺の事を見た医者は「どんな獰猛の怪物に襲われたらこんな事になるんだ」という事を言われた。
記憶にはないが俺はその時、
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ごめんなさいを連呼していたらしい。
その後、学校に行くと撫と乙女は知らずの内に仲良くなっていた。
なんでもちょっと同族嫌悪かな?らしい……………てか謝れよ。
俺は納得しないながらも、二人が仲良くなっていた事は嬉しかった。
しかし、俺は大変な事を忘れてた。
なにも般若様は一人ではなかったという事に……………
「あの女は誰だ」
の一言を最後に、家にいる俺は生きる事を諦めた。
ちょっと最後の方が微妙ですが許して?
最後まで書くと、最後の方で大分集中力が切れるんです。
駄目ですね、まだまだ修行が足りません。
まあ、この小説はご都合主義なのでそこら辺よろしく!




