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ボク・カスタマイズ  作者: 清水 弁慶
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プロローグ

投稿は不定期になると思いますが気軽に書いていきたいのでそれでもいい方は見てやってください。

感想などの意見はありがたく頂戴しますが、暴言などはやめてください。



「智樹くん、わたしと付き合ってください」

暗い一室で女性の声が響きわたる。


「よし!やっとカズハを攻略できた。長かった、本当に長かった」


そしてその一室に拳を握り感動にひたる一人の少年がいた。

少年の名前は朝霧智樹、19歳大学2年・・・・・・・・・オタクである。

特徴は身長175で痩せても太ってもなく、お世辞にもオシャレ好きといえるような容姿ではない。

といっても本人が身だしなみに気がいっていないだけでブサイクという訳でもない。

どちらかというと特徴的な顔つきではないがいい方である。


智樹は画面上に表示された”はい””いいえ”のはいにカーソルを合わせクリックした。


「ありがと。これからは彼女としてよろしく、かな?」(ニコ)


「おいおい、なんだよこのギャップ、反則だろ」

智樹はカズハの言葉に顔を赤くして悶えていた。

ちなみにカズハという女性は画面の中の存在だ。智樹は今まで、ギャルゲーをやっていた。

このカズハというキャラは「ラヴ・クライシス」というゲームのメインヒロインの一人で告白されるまでの難易度がかなり高く、中にはカズハだけ攻略を諦める者がいるほどで未だに攻略本すらでていない。


「これまでの努力が報われた。ってかカズハ可愛すぎるだろ。おれを殺す気か」

画面のカズハに悶えている智樹だが最初からこんなだった訳ではない。

運動はできる方であり、勉学においては常に学年のトップを争うほどだった。

好奇心旺盛で何に対しても興味をもっていて、友達も多くいた。

それも中学3年の終業式までの話。

中学生というとちょうど男性は女性を、女性は男性を意識する時期で智樹も例外ではなく、一人の女の子に恋をした。告白もした。

結果を言えばふられた。こっぴどく。

智樹にしてみれば、勇気をだして告白したが、ふられる覚悟もある程度していた。

だが、想像以上で罵倒すらした。女の子の言葉は智樹の心を傷つけ、抉った。

智樹は友達関係にも気をくばっていたし、勉強ができることも鼻にかけてはいなく、むしろ解らない所を聞かれた時などやさしく、解りやすく教えなにより人の気持ちを考えて行動してきた。

それゆえに何故こんなひどいふられ方をされなければならないのか、理解できなかった。

納得がいかなくて彼女に問いただした答えは


「なんかうざいんだよね、あんたみたいなの」だった。


少し勉強ができるからって調子に乗りすぎなんだよ。あんたみたいなヤツほど心の中で何考えてるかわかったもんじゃない。完璧な優等生気取ってさ、みんな見下してたんでしょ。


智樹は今まで自分がしてきたことを否定された気がした。

事実、否定されたのだろう。好きな子に。別に智樹は人を見下していた訳ではないし、コミュニケーションも欠かさず、人間関係も良好だった。

しかし、中にはそれが気に食わないやからが少なからずいる。彼女もその一人なのだろう。


智樹は絶望した。

なんでこの世界はこんな理不尽なのだろうと。

ほどなくして、智樹は気まぐれに知人に勧められたギャルゲーをプレイした。

最初は興味本位だったが、ゲームのエンディングロールが流れるころにはギャルゲーに対する認識を改めていた。


誰にも平等にチャンスがあり、クリアーしたときの達成感、クリアーするまでのイベント、内容など智樹も心を満たすのに十分だった。

なにより心を満たしたのはギャルゲーの内容が利にかなっているところ。現実はどれだけ尽くしても報われなく、理不尽に人を傷つけるが、ギャルゲーは違った。

理不尽に見えて伏線があったり、内容が報われないものであっても納得のできるものだったり、感動を与えてくれたりするのだ。


智樹がゲーム(主にギャルゲー)のめり込むのにそう時間はかからなかった。


「あーぁ、明日から学校か、続きはまたにするか。おやすみカズハ」


智樹はゲームの電源を切るとふとんに入った




思いもしないだろう。この生活が一人の少女によって、劇的に変化していくなんて。









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