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精霊王転変  作者: 笹野
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番外 第16章-精霊王解放後 2

文章堅いし、流血シーンや残酷表現満載。


第22章の会話

「この肉体から解放されるべく考えうる事をやってみたが、結局無駄に終わった・・・」という話です。

それから毎日夕暮れ時にビオルブはエルの元へと訪ねてはアルフィードへの面会を願い出た。

毎回それが許されるわけではない。

そして話す事を許されてもアルフィードの唇からは絶叫と嗚咽のみだった。

無理も無い。

彼が生きている事を喜んでくれる者が誰一人いないのだ。

それどころか。

山頂からの投身行為は間違いなくエルによるアルフィード殺害に他ならない。

どう折り合いをつけ、どう引き離すか。

事実と真実だけが答えを紡ぎ出せる・・・ビオルブはキリーク初代王ヴァーウェンの記録を取り出した。


精霊王が、数多<<あまた>>の精霊よりその力を得るがごとく、ビオルブもまた、全ての人類が持つ知識と磨き上げた能力・技術を得ることが出来た。

たとえそれが、水没しかかっている宮殿地下:王家専用図書の秘蔵棚にあろうと、人の手で作られたものが今でも現存する、それだけでビオルブには十分だった。


*****


ヴァーウェン・コルドアはもともとズデン国という小国の商人の倅だった。

子供の頃から家の中に落ち着くのを好まず、森に川に海にといつも出かけて行き、帰りには獣を仕留めて帰ってくるような子だった。

それだけではない。

何でも食べてみるという癖を持っていて、毒キノコと判っていてもどのくらい食べれば危険なのか自らの身体で測るような子だった。

それが嵩じて、青年になる頃には商売の為という口実のもと、国内はもちろん国外に出て探検また探検。

そしてグルメと称してゲテモノ食いのオンパレード。

2足のものから8足のものまで・・・いや百足までも食べまくるという悪食ぶり。

普通に動物だけではない。

石、木、土、氷河・・・眼にした物、耳にした物、その全て。

ところが20代後半にチルチ火山山麓に食べられる土なるものが有ると聞き、それを食べたところ体調が急変、2週間ほど寝込んだ。

それからは体がやけに熱く重くなり、冒険もやめて療養の為キリーク村の館で静養していたのだが・・・

月夜の晩に館の庭で酒を飲んでいると、目の前を何か強大なものが通りかかった。

それが何なのか判らないがいきなり右手で掴まえ左手でぶん殴った。

相手は激しく抵抗したが右手だけは絶対離さずとにかく相手を殴り続け、酒を飲んでいた杯を被せて掴まえた。それがエルだった。

それから今まで2度エルは脱走を試みていた。だが、そのたびにヴァーウェンの血筋の者が掴まえている。

王は・・・その存在自体がエルを人の世界に繋ぎ止める鎖だった。


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