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藍色吐息  作者: 久遠 ヒカリ


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20/20

最終話 放課後、君に

 目を開ける。


 教室だった。


 夕暮れだった。


 窓の外にはオレンジ色の空。


「……」


 夢?


 違う。


 机の上には。


 ゲーム内で使っていた青い羽根飾りが置かれていた。


 証拠だ。


 あの旅は本物だった。


 すると。


 教室の扉が開く。


「ユズ……じゃない」


 彼がいた。


「立花さん」


「風原くん」


 お互い笑う。


 少しだけ泣きそうになりながら。


「夢じゃなかったね」


「うん」


 数か月の旅。


 命懸けの戦い。


 言葉にできない時間。


 全部が胸に残っている。


 沈黙が流れる。


 だけど。


 もう迷わなかった。


 私は一歩前へ出る。


「風原くん」


「うん」


「好きです」


 心臓が壊れそうだった。


 だけど。


 言えた。


 ちゃんと。


 自分の言葉で。


 すると。


 彼は一瞬だけ目を見開き。


 次の瞬間。


 耳まで真っ赤に染めた。


 そして。


 少し照れながら。


 右手を差し出した。


「僕も」


 柔らかな微笑み。


 ゲームの中で何度も見た笑顔。


 だけど。


 今は現実だ。


「ずっと好きだった」


 私は彼の手を取る。


 温かかった。


 本当に。


 温かかった。


 窓の外では。


 藍色へ変わり始めた空が広がっている。


 あの日。


 物憂げに空を見上げていた少年。


 その隣に立つ少女。


 二人の吐息は重なり。


 やがて未来へ続いていく。


 これは終わりじゃない。


 恋人になった二人の物語は。


 ここから始まるのだから。





           ―完―

読了ありがとうございました!

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