ニコ生配信者はどこに消えたのか
わたしが大学生のころ、炎上という概念がなかった。
当時のSNSは資本主義社会の負け犬たちが夜な夜な口喧嘩の相手を探してうろつきまわる苦界であり、生配信はもっぱらニコニコ動画で行われた。
そこはへずまりゅうがまともな人間にカウントされる世界であり、招き猫を置く感覚で自分の性器の写真をアップしたり、本名や住所、顔写真が全てさらされた状態で多方面に喧嘩を売るものがいたりして、見ていて飽きなかった。
いまはもう廃れた世界である。現在なら、彼らの発言の百分の一でもつぶやけば、大炎上。
世界はお上品になったのだ。
すると、疑問が出てくる。
あの異常者たちはいま、どこにいるのか?
これについて、ちょっとした仮説を述べたい。
異常者たちは正常者になったとわたしは思っている。
アンチという名の正常者に。
そもそも、ニコ生配信者たちは人を傷つけられないユーモアはユーモアではないとする連中であり、他者攻撃の快感は遺伝子レベルで刻み込まれているのだから、今更カタギになれるとは思えない。
そんな彼らを吸収したのが、アンチではないか?
ネットにしろ、リアルにしろ、人気者はファンと同時に厄介なアンチを抱えている。
そんなアンチたちが、かつて自分たちがさんざん吐き散らかした差別用語を人気者が少しでも使ったら、すさまじい勢いでかみつく。そんなピラニアみたいな正義の味方がニコ生配信者の成れの果てではないのだろうか。
なかには昔の悪いところが出て、正義の指摘が誹謗中傷レベルに到達して、無事弁護士のご厄介になるものもいるだろう。
正義のアンチとして有名になり、自身が人気ユーチューバーになり、ファンの未成年を食って、手錠ガチャリンコになるものもいるだろう。
ネットをとりまく世界の変化に対応できず絶滅したであろう錯乱人間たちはいまは正義の皮をかぶって潜んでいるかもしれない。
そして、正義の鉄拳をぶち込みたいという欲求は、別に異常者の道を経過せずともたどることができる。
それについてはごく普通の倫理観の持ち主もはまりかねない罠である。
そこでわたしが提案したい予防策がある。物凄く調子がいいときと物凄く調子が悪いときはネットをしない、投稿をしない。
割といい考えだと思う。特に子どもたちには。




