三重の封印
こんな悪夢を見た。
朝の時間のこと。私がアパートの掃き掃除をしていると、駐輪場が目に入った。私の自転車置き場である。
しかし、今回は異変があった。よく見ると私の自転車だけ三重のロックがかけられていた。
他の自転車は被害に遭ってない。私だけが被害に遭っている。
誰かの悪戯だろうか。しかし、なんて質が悪いのだろうか。
3つとも暗証番号が必要ときている。おそらくはデタラメなのだろう。
犯人がいるとしても、どうして私だけなんだろう。私が何かしたんだろうか。思い当たる節が無い。そのはずである。
この場合、警察に届けを出すべきだろうか。そうすれば犯人の指紋が分かるかもしれない。
私は携帯を取り出すと、警察に電話をかけた。しかし何故か繋がらない。一体どうしたというのだろう。
大家さんにも電話をするべきだろうか。このアパートで起きたのだから。対応はしてくれるだろう。じゃなければ私は困ってしまう。通勤で使うから。
しかし、大家さんはどこにいるんだろうか。このアパートの住民だというのに私は顔を知らない。肝心の大家さんの顔が分からない。さっきまで覚えていたはずなのに。記憶から抜け落ちてしまった。必死に思い出そうとするも、泥沼に沈んでいくかのように思い出せない。思考がパニックになることしか感じられない。
三重のロックの暗証番号を知らなければ。しかし一体どうやってやればいいのか。
物理的に断ち切れないのだろうか。鋼鉄製のハサミで。ちょきんと。
犯人がいたら、問い詰めたい。どうしてこんなことをしたのかを。犯人が分かればいいのだが。
いくら考えても答えは出てこない。ただ器物損壊罪という言葉があった。
そこで私は目が覚めた。あの悪夢は一体何だったのだろうーー。




