幻想の悪夢
悪夢は廻り続ける。無限の円環に閉じ込めて。
燃える建物。火を吹く水入りの吸い殻入れ。パンクした自転車。三重の封印。
効かないブレーキ。コロナウイルス。懐の嫉妬の蛇。偽りの麻薬。裏切られる権威。白鬼の日本刀。
すべては因果が招いた応報。生きている限り逃れることは叶わない。
永遠の円環からは逃れることは叶わない。無限に続く悪夢の中。
閉じ込められたら誰も抜け出すことは叶わない。
因果の坂は堕ちることはできても、登ることはできないのだから。
眠りに着くたびに、そのたびに悪夢は廻りゆく。獲物を喰らう蛇のように。
そこに在る悪夢。生きていく限り、誰も逃れられることはできないもの。
廻り続ける円環。誰にも止められはしない。
仮初めの悪夢。仮初めの円環。ただそこに在る悪夢。
削られゆく理性。発狂しても結末は変わらない。悪夢へと堕ちていく。
因果は繰り返しの応報を与えていく。永遠の円環に閉じ込めて。
抜け出そうとしても這い上がれはしない。ただ悪夢へと堕ちていくのみ。希望は喪失し、絶望を身に纏う。無救の闇が奥底へと広がっている。
光は届かない。差し出されても、払い除けたから。
閉じた世界でただひたすらに繰り返されていく。夜が訪れ、眠るたびに。
昼に寝ても無意味。どんな時間だろうと関係無い。
悪夢は捕らえた者を、ただ永遠の円環へと閉じ込め続けるのだからーー。
《終》




