白鬼の日本刀
こんな悪夢を見た。
夕方、私は仕事を終えて、住んでいるアパートに帰宅しようとした。
玄関の所に来て、ドアを開けようとドアノブに手をかける。すると、違和感を感じた。
玄関のドアに鍵がかかっていない。行くときはしっかりと鍵をかけた。そのはずなのに。
まさか泥棒か何かか。盗まれるようなものは何も無い。貧乏であるがゆえに。
警察に電話すべきだろうか。大家さんに相談するべきか。閉めたは玄関ドアが開いているんですと。信じてくれるだろうか。それは分からない。
どうせ、鍵をかけたつもりになっている。そう結論付けられてしまえば終わりである。
警察もそんなことで通報するんじゃない、と取り合ってくれないだろう。
どちらにしても、鍵が開いてある玄関に手をかけなければなるまい。というか、そうしなければ、寒さで風邪を引いてしまう。ゆえに開けるのだ。
私は玄関に手をかけドアを開けた。するとそこには白い般若の仮面を被った白い着物を着た男が日本刀を持って待ち構えていた。
私は状況を察するとすぐさま逃げ出した。変質者を越えた殺人犯に遭遇するなんて、夢にも思わなかったからだ。一体いつからいたのか。どうして、私の家にいたのか。それが分からない。分かるのはその場から逃げることだけ。そうしなければ奴に殺されてしまう。警察に通報して立ち会ってもらうべきだったんじゃなかろうか。こんなことになるなんて、誰もが夢にも思わないはずだ。
私は全力で逃げ走っていた。しかし、奇妙なことに角を曲がるたびに奴が、白い般若の仮面を被った日本刀を持っている男が待ち構えているのだ。先回りしているかのように。
私は疲れて、地面に倒れ込んでしまった。アスファルトの地面は固い。ケガをしそうだ。そこに白い般若の仮面を被った男が現れる。日本刀が電灯の明かりでぬらりとしていた。
そこで私は目が覚めた。あの悪夢は一体何だったのだろうーー。




