裏切られる権威
こんな悪夢を見た。
私は誰よりも強い立場にいた。アパートで何かあれば大家さんに相談していたし、職場では社長に気に入られていた。
しかし、知人はそんな私を見ても、気にしていないようだった。それが何か気に食わなかった。
そのことで大家さんに相談した。けれども、望んでいた結果は得られなかった。
職場の社長にも相談した。しかし、結果は大家さんの時と変わらなかった。
私はどうすればいいのか分からなくなった。知人のことを思い出してはイラつくばかりだ。
酒の席でもそのことばかり愚痴をこぼしていた。知人のせいで酒すらも楽しめない。
知人のせいだ。私がこんな思いをするのも。知人のせいで何をやっても楽しめない。
私は上手くいかないと、全部知人のせいにしていた。
そんな私に嫌気が差していたのか、仲間はどんどんと私から離れてしまった。
そうなってしまったのも全部知人のせいだ。そうに違いない。
知人のせいで、仲間や友達だと思っていた人たちが私から離れてしまった。そのことを大家さんに相談したら、溜め息を吐かれてしまった。そして、相談は一方的に切られてしまった。
社長にも相談したら、逆に怒られてしまった。どういうことなのだろうか。
これも全部知人が悪い。そうだ。そうに決まっている。
私は根拠の無い自信に満ちていた。だがしかし、打ち破られることになってしまった。
何が何でも知人のせいにする私のことを、みんな嫌いになっていたのだ。
しかも、何故かみんな知人のことを持ち上げていた。それが一層納得がいかなかった。
私は誰よりも強い立場にいた。そのはずだった。なのに、今ではその立場にいない。
それが悔しかった。
虎の威を借る狐。その言葉が脳裏に過った。私は狐側だったのだ。虎の威を借る。
虎の威を借りなければ、強い立場にいられない。気がついたら私はそうなっていたのだ。
私は絶望を味わいながら立ち尽くすはめになったのだ。
そこで私は目が覚めた。あの悪夢は一体何だったのだろうーー。




