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第8話 NX【覚醒】

いつも読んでいただきありがとうございます!

 「バースト、スリーヘッド」


口が勝手に動いてそれを唱えたころに、俺は正気に戻った。


だが、遅かった。

引き金を引く指は、止まるところを知らず、握られた。


一際大きな発砲音と共に、エネルギー弾がバイオソルジャー、敵部隊の隊員、そこら辺に止まっている車(多分、敵部隊の物)を構わず消し飛ばした。


というより、俺たちが戦っていた家の前の道がえぐり取られたみたいだ。


「お、の、れ、、、」


見ると、床には血痕、足、靴が並べられている。



あれ?


そこから上の部分はどこに行ったのだろう?



隊長が唸ってこちらを睨みつけている。神女はどうやら、無事よけられたらしい。腰を抜かしているが、まぁ怪我はなさそうだ。


「完成していたのか……NX……しかもmark3……トミッション。我々の負けだ……だがな……!!こんなのは兵器とは言わない!!ただの……殺戮マシンだ……!ガハッ……!」


血を吐いている。見ると隊長は右半身が消し飛んでいた。


次の瞬間、‘‘雨‘‘が降ってきた。


空は快晴。雲一つない。なのにどうして?


手に落ちた‘‘雨水‘‘に目を凝らす。


「赤い……?」


言葉を失う。俺の服は寝起きだったのでパジャマなのだが、どうしてか、白い部分が赤く染まっていく。


血の雨だ。


これって、、まさか……隊員たちのじょうは……ウエェ……ゴホッ!ゴホ……!


人生でこんなに嘔吐したことがあっただろうか……。そう思えるほどに俺は胃の中にあったものを床にぶちまけた。



「ああああああああああああああああ!!」



人を、人を……人を……殺してしまった……。


自身を守るためとはいえ、

これは戦いだったとはいえ、


俺は、俺は……。




・・・



 そのころ、某国地下研究所、ブライト保護運用区にて、高笑いを浮かべる女性の姿があった。


「あっはははは!!ああっはっはっは!!ついにあなたも覚えたのね……殺人の感触を……!これからが楽しみだわ……私の可愛いモルモットちゃん……ふふふ……あはははは!!」


彼女の名は、紅丘 京子。 師の母である。


「お父さんたちも喜んでるかしら……ねぇあなた……」


先ほどの高笑いとは打って変わって静かな声で、彼女は黒い箱に呼びかける。

それこそが、ブライトであった。



・・・



 血の味、それはちょっぴり苦くて……不快な味だ……。


偶然舌に着いた血の味を確かめながら、俺はそう思った。


「大丈夫……?」


神女の声が聞こえる。彼女が隣にいたのだ。背中をさすってくれているようだ。


しゃがみこんでいる俺の足元には先ほどの吐しゃ物がまき散らされている。


彼女は俺の顔を覗き込む。


その目には珍しく本物の心配があった。


「学校、休もう」


そういえば今日、平日だったな……。


俺はただただうなずいた。


そして神女は俺を家の中に入れた後、学校や彼女の上司に連絡を取ってくれた。


その間俺は、ずっとてに付いた血を眺めていた。


「―――こんなに、紅かったんだな」


消えそうな声は誰にも届かない。




・・・




 ナンバー000からの報告を受け、私―――草壁 紀夫は心底機嫌が良い。


「もう一度言ってくれるかね?」


私は顔に笑みを張り付けている。


「はい……UB001のトミッションへの適合、および、能力の覚醒を確認しました……」


「そうか。ご苦労。では死体はこちらで処理しよう。君たちは次に備えたまえ」


電話を切る。次の瞬間、ここ、公安エリア24支部の局長室の中は高笑いで満たされるのであった。


「ついに、彼が‘‘覚醒‘‘した!!これほどまでに喜ばしいことはない!!ああ!今日はなんて日だ!」



続く

次回

第9話 公安支部へ



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