第2話 戦争殺し【バランス キラー】
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俺―――紅丘 師は変わった高校生となって数時間が経った。
俺は神女と共に走っていた。銃を片手に。
神女曰く、俺を狙っている殺し屋は、むやみには動けないらしい。どうやら、光学迷彩スーツなるものをまとっており、居場所がばれれば死亡確率が一気に跳ね上がるスナイパーにとってはそのスーツの‘‘ある特性‘‘がとても怖いとのこと。
よって、むやみに動けないということだ。(ちなみに、光学迷彩スーツを身にまとっているので、こちらからの視認は不可能)
「いや、こんなのどうやって倒すんだよ⁉」
「急にどうしたの? 変なものでも食べた?」
「俺はまだ昼めし食ってねえんだが⁉」
二限目と三限目の間の休み時間から追われているため、結構空腹がきつい。
「だから、ちゃっちゃと終わらせましょう?」
「だから!俺は何をすればいいんだ?」
「あなたは囮役よ」
オトリ?
囮⁉
「あなたが打たれたところから弾道を計算する。だから打たれてちょうだい」
「俺死ぬよ?」
「いいえ、大丈夫。その銃が何とかしてくれるわ」
「えぇ……」
俺は半ば引き気味で、ふと両手で握られた銃に目をやった。本当に見かけただの銃に見える。
「ところで、それ重くないのか?」
神女はさっきから、神女の身長ほどのライフルを担いでいる。(160cm以上)
重くないのかな?
「ええ。大丈夫よ。軽量素材でできてるから」
なんともまぁ近代的な答えだこと……。
まぁ、重くないんだったら、何でもいいんだがな。
「止まって」
神女に言われて俺は止まった。いよいよ仕掛けるつもりらしい。
「あいつは、多分、安っぽい挑発には乗ってこない。だから、裏をついて、あなたに先陣を切ってもらうわ」
「すみません。どの裏をついたらそんなことに?」
「相手は君は戦えないと思っている。じゃなきゃ、あんな安っぽい玉なんて打ってこない」
「安っぽい?」
「ええ。もしあなたが防御やかわす等の対処ができたり、銃を持っていて打ち返せる状況であるとわかっていれば、弾丸を爆弾にするとかして確実に仕留めに来てるわよ」
「そういうもんか……」
「ええ。だから、あなたから打つの」
え?
「どこに?」
「敵に。その後は私がやる」
「敵の場所わかんないんじゃ?」
「走ってる間に計算終わった」
何だ?こいつは何なんだ?
「わ、分かった」
「じゃあ、準備して」
「へ?」
「何言ってるの?この窓から打つのよ?」
はい?
はい?ちょっ!まっ……!
「どうやって?やるの?」
「銃、見して」
「はい……」
「ちゃんと握って」
俺は銃を握りなおした。
あれ?なんかラインが赤く光って……?
「私の後に繰り返して。‘‘ライフル、射程は最大、貫通力最大、散弾範囲半径10㎝‘‘はい」
「えっと、‘‘ライフル、射程最大、貫通力最大、散弾範囲(?)半径10㎝‘‘これでい……うわっ!」
途端俺の銃の側面にあったライン(?)が赤く光り出した。俺は慌てて、話そうとするが、
「放すな!」
神女に怒鳴られてしまった。そんな中でも、銃は着々と変形していく。そして……
‘‘トランス、ライフルフォーム、属性、貫通のち散弾……‘‘
銃がしゃべった……。⁉??もうわけわからん。
と同時に、銃が俺の腕(正確には手首くらいまで)に一気に覆いかぶさってきた。
どこぞのサイボーグみたいだなぁと思いつつ、いや、明らかに持ってるものの長さ違うな~と思った。
「ほれ。これで打つの。はい狙う狙う」
意味も分からず、俺はされるがまま銃口を窓に向けた。
「誘導するから力抜いて」
「あ、ああ」
俺の腕を神女が握り、ぶつぶつ言いながら調整している。
「もうちょっと右……いや、ちょっと左……ここ!はい打って!」
「ええ⁉」
「早く!ぶれるから!」
俺はとにかく必死で、引き金を引く。
その瞬間、銃口の前の空間が歪み、くしゃくしゃになる。途端、轟音と共に弾丸が打ち出された。音よりも早く。
・・・
シュゥゥ―――!
空気を切り裂く音が聞こえる。と同時にわたしのスーツに着弾した。まぁ別に、強化されたスーツだからちょっと鈍い痛みが来るぐらいなのだ。しかし、それだけではなかった。
ピ―――!
「散弾か!」
私は反応が遅れた。確かに痛みはない。しかし、痛みのないこの攻撃は私にとっては致命傷だった。
光学迷彩スーツの弱点、それは、何らかの強い衝撃が加わった部分は迷彩機能がエラーをきたし迷彩機能が途切れることだ。そうして、今私の背中には穴が開いた。
こうして、私の地獄が始まった。
続く
次回
第3話 狩人【神女】




