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美少年の声は世界を救うようです  作者: 八田D子
フランツとハーラの交響曲 前編
75/114

1節目

 貝紫とシノーメの二人は、アロンズ永世王の弟が治めるという北の地ハナカルタに訪れていた。荒涼とした高原の多いこの地は農耕地が少なく、地面もごつごつとした岩肌ばかりで農耕にも向いていない辺境と呼ぶべき土地だった。この地が諸侯同盟にとって要所とされるのは、豊富な鉱山資源の産出地である事が理由だが、もう一つの理由があった。

「ハナカルタは昔から徒党を組んだ魔物の集団がいて、騎士の修行の地としても有名なのです。他の土地の魔物とは違い、ここの魔物はかなり人間に近い性質を持っているのです」

 肌の色こそ人間とは違うが集団を組んで武器を持ち、他の土地の村や集落を山賊のように荒らし回っているという。そのために、昔から関所や要塞が建設され、魔物の集団が人里を襲う事を阻止しているという。

「人間に近いなら言葉も通じそうなものだけどな」

「そういう話は聞いたことがありませんね。知能こそ高いかもしれませんが、邪悪で情け容赦のない存在だと聞いております」

 イリンカ聖域の森にいる魔物は実は聖獣として森を守っている存在だが、一度害をなすと恐ろしい敵になった。ここの魔物たちも普段は大人しい存在だったら、人を襲う事をやめさせる事ができるのではないかと貝紫は考えた。

「魔物たちに滅ぼされた集落は多く、だからこそアロンズ永世王は信用のおける親族に防衛させているのでしょう。その弟君にお会い出来たら話を聞いてみればいいと思います」

「傾斜が多くて歩くにも一苦労だ。もし今その魔物の集団に襲われたら一たまりもないな」

 ハナカルタは危険な土地だからか、ここへ向かう商隊も殆ど見つからなかった。ほぼ二人だけで地図とブッキラ城の城下町で集めた情報を頼りに旅をしている。

「今ではジュノ要塞がハナカルタから魔物の集団が他の土地に行くのを防いでるので、恐らく大丈夫でしょうが、魔物が襲ってきた時には私が主をお守りします」

「そのジュノ要塞にアロンズ永世王の弟がいるかもしれないんだよな」

 そこがハナカルタにおける防衛の要地。いるとしたらそこだろうというのがシノーメの考えだ。

「ええそうです。もしお会いできたらその時は何としても恩を売って、信用を得るのです。そうすれば永世王もきっと我々との交渉に耳を貸してくれるはずです」

「魔物退治でも何でもグラマトンの力で解決してやれば、絶対うまくいくはずさ」

 相手が集団でも、初めてグラマトンの力を使ったときはワーグを退ける事が出来た。イリンカの聖獣並みの強さでも、手加減する必要なければ楽勝だと貝紫は思っていた。

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