7節目
「なるほど、聖教国の方から和睦があれば受け入れるかもしれない、と」
「でもあの女教皇はロッソ以上の負けず嫌いだからな。今から戻ってもう一度説得した所で絶対無理だろうな……」
城の前で貝紫とシノーメの二人は合流し、その場で今後の計画を相談し始めた。
「それに、アロンズ永世王をその気にさせるにはまだ力が足りてないと思うんだ。もっと信用してもらう方法はないかな……」
「おや、そこにいる二人は御使いとその従者様方ではないか」
聞き覚えの声がした方へふり向くと、そこにはシノーメの妹のルーシーが馬に乗ってこちらを見下ろしていた。
「ルーシー、何故ここに?」
「何故も何もゼンカー侯爵が終えた仕事の報告を、アロンズ永世王に伝えに来たのだ」
きっと貝紫たちが手伝った魔物退治の件の事だろう。侯爵自身の不手際が原因だったが、どうやら侯爵は体のいい言い訳を考え付いたようだ。
「その様子じゃ、あのお方を説得するのは不可能だったみたいだな。戦争を止めるなど夢物語もいい所だな」
「まあその通りだな。それで、お手上げ状態ってわけ」
「ふっ、あのお方も忙しい。お前たちが面会できただけでも奇蹟だろうさ」
そう皮肉を言った後、思い出したように彼女は言った。
「そういえば、あのお方の弟が治めてる領地も魔物に困ってると聞いたな。永世王も人の子、身内である弟君が心配だろうな」
「永世王の弟?」
「ああ、弟君も要所を任されてるお方。手を貸す者でもいたら、きっと兄である永世王も喜ばれるだろうさ」
次の目的が見つかった。親族を助ければ永世王ももっと信用してくれるはずだ。
「そうか、弟か……ありがとうルーシーさん!」
「ふん、少しでも永世王殿の助けが増えたら嬉しいだけの事」
そう言ってルーシーは去って行った。
「シノーメ、いい妹さんだな!」
「ええ本当に……頼りになる妹です」
「よし、女教皇の方はロッソに今一度頼んで、俺たちは永世王の弟さんの方へ会ってみよう!」
ロッソが使ったグラマトンがあれば、連絡を取ることはたやすい。連携して事を進める事が出来るはずだ。諸侯同盟の領域での旅はまだ続く。さながら物語の遍歴の騎士のように二人は次の土地へと向かう事にした。




